なぜ今から対策を始めるべきなのか
データマネジメント試験(仮称)は2027年度の実施開始を目指してIPAが準備を進めている試験です。 シラバスの公開は2026年夏頃が予定されており、試験本番まではまだ1年以上あります。 「シラバスが出てから勉強を始めれば十分では?」と思う方も多いでしょう。 しかし今から対策を始めることには、いくつかの大きなメリットがあります。
もっとも重要な理由は、DMBOKの基礎知識が実務で直接役立つことです。 データガバナンス・データ品質管理・マスターデータ管理といった知識は、 試験対策として学ぶのと同時に、日々の業務でのデータ活用能力を高めます。 シラバスが発表される前に学習を始めても、まったく無駄になりません。
また、新設試験の合格者になることの希少価値も見逃せません。 試験開始直後の受験者は少なく、早期取得者としての先行者優位を享受できます。 2026年夏にシラバスが公開されてから本格的に対策を始めるライバルより、 半年以上の学習時間のアドバンテージを持てます。
試験の全体像についてはデータマネジメント試験概要記事も合わせてご覧ください。 また、IPA試験制度全体の改訂背景はIPA試験制度改革2027で解説しています。
試験の基本情報を確認する
対策を進める前に、現時点で判明している試験の基本情報を整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験方式 | CBT(Computer Based Testing) |
| 科目A | 48問(多肢選択式) |
| 科目B | 12問(事例ベースの実践問題と推定) |
| 試験時間 | 120分 |
| レベル | ITパスポートの次のステップ |
| 主な対象者 | データ活用に関わるビジネスパーソン全般 |
| シラバス公開予定 | 2026年夏頃 |
| 試験開始予定 | 2027年度 夏〜秋 |
CBT方式のため、ITパスポートや情報セキュリティマネジメント試験(SG)と同様に、 全国のテストセンターで随時受験できる形式が想定されています。 週末だけ集中して勉強するスタイルでも、自分のペースで受験日を設定できるのが CBT方式の魅力の一つです。
推定される出題範囲
注意:以下の内容は現時点での推定です。
シラバスは未公開です。以下の出題範囲は、IPAがデータマネジメントの参照資料として 言及しているDMBOK2(Data Management Body of Knowledge)をもとにした独自の推定です。 確定情報はシラバス公開後(2026年夏頃予定)にご確認ください。
DMBOK2はデータマネジメントの国際的な知識体系で、11の管理領域で構成されています。 IPA試験の趣旨と整合性が高く、出題の柱になると推定されます。 主要な出題分野として以下が想定されます。
| 推定出題領域 | 内容(推定) |
|---|---|
| データガバナンス | データの所有権・管理責任・ポリシーの策定と運用 |
| データ品質管理 | データの正確性・完全性・一貫性・適時性の確保 |
| データモデリング | データの構造化と論理・物理モデルの設計 |
| マスターデータ管理(MDM) | 組織横断での基幹データの一元管理 |
| データセキュリティ | 個人情報保護・アクセス制御・コンプライアンス |
| メタデータ管理 | データの定義・意味・文脈情報の管理 |
| データウェアハウス・BI | 分析基盤の構築と意思決定支援 |
データマネジメントとは何かという基礎概念については、データマネジメントとはの記事で わかりやすく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
学習ロードマップ(4ステップ)
シラバス公開前の今から取り組める、具体的な4ステップの学習ロードマップを紹介します。 焦らず段階的に進めることが、シラバス公開後のスムーズな本格対策につながります。
Step 1:データマネジメントの全体像を把握する
まず取り組むべきは、データマネジメントとは何かという全体像の理解です。 DMBOK2の概要書や入門書を読み、「データガバナンス」「データ品質」「メタデータ」といった 用語が何を意味するのかを大まかに把握しましょう。 この段階では細部の暗記は不要です。「全体のマップを頭に入れる」イメージで取り組んでください。
DAMA Japan(一般社団法人)が公開している資料や、 DMBOK2の日本語版(翻訳書)が手に入れやすい入門素材です。
Step 2:各領域の基本用語を学ぶ
全体像をつかんだら、各管理領域の基本用語を一つひとつ理解していきましょう。 特に優先度が高いのは「データガバナンス」「データ品質管理」「マスターデータ管理」の3領域です。 これらはビジネス部門の人材に最も関係が深く、試験でも重点的に出題される可能性が高いと推定されます。
用語を覚える際は「定義を暗記する」より「実務でどう使われるか」を意識すると、 記憶に定着しやすくなります。データガバナンスの実践的な内容についてはデータガバナンスガイドが参考になります。
Step 3:実務との関連づけをする
データマネジメント試験の科目Bは事例ベースの実践問題が出題されると推定されています。 そのため、学んだ知識を「自分の会社ではどうなっているか」と実務に結びつける練習が重要です。
「自社のデータガバナンスはどう機能しているか」 「顧客データの品質管理はどのように行われているか」 「マスターデータの管理に課題はないか」——こうした問いを自分自身に投げかけてみてください。 実務との接点を意識することで、試験対策と業務改善が同時に進みます。 日本企業のデータ活用が直面する構造的な課題について知っておくと、 事例問題への理解が深まります。データ活用の課題と処方箋もあわせてご覧ください。
Step 4:シラバス公開後に重点分野を絞り込む
2026年夏頃にシラバスが公開されたら、ここで初めて「試験に出る範囲」を確認します。 Step 1〜3を終えていれば、シラバスを見た時に「この領域はすでに学んだ」「ここが手薄だ」と 具体的に把握できます。そこから重点分野を絞り込み、集中的な問題演習に移行しましょう。
シラバス公開後にPassDojoでも模擬試験・練習問題の提供を予定しています。
ITパスポート合格者が有利な理由
ITパスポートをすでに取得している方、またはITパスポートと並行して勉強している方には、 データマネジメント試験においていくつかの有利な点があります。
まず、ITパスポートのストラテジ系知識が土台になる点が挙げられます。 ITパスポートで学ぶ「経営戦略」「情報システム戦略」「データ活用」といった分野の知識は、 データマネジメントの文脈で再登場する可能性が高いです。 ゼロから学ぶよりも既存の知識を発展させる形で学習を進められるため、効率が上がります。
また、IPAはデータマネジメント試験をITパスポートの次のステップの試験として 位置づけています。これはITパスポート合格者がデータマネジメント試験に挑戦する 自然なキャリアパスとして設計されていることを意味します。
ITパスポートの模擬試験でまず基礎固めをしたい方は、ITパスポート模擬試験をお試しください。
シラバス公開前の今できること
シラバスが公開されていない段階でも、以下の学習を今すぐ始められます。 どれも「シラバス公開後に無駄になる」ことがない、しっかりとした土台づくりです。
- DMBOK入門書を読む:DAMA Internationalが刊行するDMBOK2の日本語訳(翻訳書)は、 データマネジメントの全領域を体系的に解説しています。 まず目次を確認し、各章の概要をざっと読むだけでも大きな前進です。
- データ関連の基本用語を学ぶ:「データリネージ」「データカタログ」「DWH(データウェアハウス)」 「ETL処理」「GDPR・個人情報保護法」といった用語を調べてまとめておきましょう。 これらはデータマネジメント試験で頻出すると推定される用語群です。
- ITパスポートのストラテジ系を復習する:ITパスポートのストラテジ系分野(経営戦略、情報システム戦略、データ分析の基礎)を 復習しておくと、データマネジメント試験の学習がよりスムーズに進みます。ITパスポート模擬試験で理解度を確認できます。
- データ品質・データガバナンスの実務事例を読む:書籍やWebの事例記事を通じて、現場でのデータマネジメントの実践例を把握しておきましょう。 科目Bの事例問題に対応する際の素地になります。
データマネジメントの基礎をPassDojoで学ぶ
DMBOKの11領域に基づいた入門学習コンテンツを準備中です。 ITパスポートの模擬試験と合わせて、今から着実に土台を作りましょう。
まとめ
データマネジメント試験の対策を今から始めるべき理由と、 4ステップの学習ロードマップをご紹介しました。最後に今日からできるアクションを整理します。
- 今すぐできること①:DMBOK2の入門書を手に入れて目次を確認し、全体像を把握する
- 今すぐできること②:ITパスポートのストラテジ系分野を復習し、データ活用の基礎知識を固める
- 今すぐできること③:データガバナンス・データ品質・MDMの基本用語を調べてまとめる
- 2026年夏頃にやること:IPAのシラバスを確認し、重点分野を特定して本格的な問題演習に入る
シラバスが公開されていないからこそ、今は焦らず土台を固める絶好のタイミングです。 データマネジメントの知識は試験対策であると同時に、 日々の業務でのデータ活用を改善するための実践的な武器にもなります。 ぜひ今日から一歩を踏み出してみてください。
よくある質問
シラバスが公開されていないのに対策できますか?
はい、十分に対策できます。DMBOKの基礎知識は試験の有無にかかわらず実務で役立つ知識です。 データガバナンスやデータ品質管理の概念を理解しておくことは、 今の仕事にも直接活かせるスキルです。シラバス公開前に始める先行学習は無駄になりません。 むしろ、シラバス公開後に初めて学び始めるライバルより半年以上のアドバンテージを持てます。
ITパスポートを先に取るべきですか?
ITパスポートを未取得であれば、先に取得することをお勧めします。 IPAはデータマネジメント試験をITパスポートの次のステップとして位置づけており、 ITパスポートの知識がデータマネジメント試験の土台になる設計です。 先にITパスポートを取得してIT基礎知識を固める方が、学習の効率が大きく上がります。 すでにITパスポートを取得済みであれば、そのまま本記事のロードマップを進めてください。
CDMP(国際資格)とどちらを目指すべきですか?
CDMP(Certified Data Management Professional)はDAMAが認定する国際資格です。 英語での受験が必要で、上級者向けの試験です。 一方でIPAのデータマネジメント試験は日本語で受験でき、ITパスポートの次のステップとなる入門〜中級レベルです。 まずはIPA試験で日本語により基礎を体系的に固め、その上でさらなるキャリアアップとして CDMPを目指すという順序が効率的です。
※ 本記事の情報は、IPAが2026年3月31日に公表した試験制度見直し案に基づいています。 出題範囲・難易度・試験構成などシラバス未公開の段階での情報は独自の推定を含みます。 「推定」「見込み」「予定」と記した箇所は公式発表ではありません。 最新の確定情報はIPAの公式サイト(https://www.ipa.go.jp/)でご確認ください。 本記事は2026年夏頃のシラバス公開後に更新予定です。