2つの試験の概要
まず2つの試験の位置づけを確認します。
ITパスポートは、ITを活用する社会人全般を対象とした ITスキル標準レベル1の国家試験です。2009年から実施されており、 年間50万人以上が受験する「最も身近なIT国家資格」として定着しています。
データマネジメント試験(仮称)は、 IPAが2027年度に新設予定のレベル2試験です。 データを管理・活用するビジネス人材を対象とした、 DMBOK2(データマネジメント知識体系第2版)をベースにした試験です。
データマネジメント試験の詳細はデータマネジメント試験とは?をご覧ください。
スペック比較表
| 比較項目 | ITパスポート | データマネジメント試験(予定) |
|---|---|---|
| ITスキル標準レベル | レベル1 | レベル2 |
| 試験方式 | CBT(随時) | CBT(随時・予定) |
| 問題数 | 100問(多肢選択式) | 60問(科目A 48 + 科目B 12) |
| 試験時間 | 120分 | 120分(予定) |
| 合格基準 | 総合600点以上(各分野300点以上) | 未発表(シラバス公開後に確定見込み) |
| 受験料 | 7,500円(税込) | 未発表(SG試験と同程度と推定) |
| 対象者 | IT利活用者全般 | ビジネス部門・データ活用人材 |
| 出題範囲 | ストラテジ・マネジメント・テクノロジ | DMBOK2の11領域(推定) |
| 実施状況 | 実施中 | 2027年度新設予定 |
出題範囲の重なりと違い
2つの試験の出題範囲は、一部で重なりながらも大きく異なります。
重なる領域(ITパスポートが土台として機能する部分)
| ITパスポートの出題内容 | データマネジメント試験との対応 |
|---|---|
| データベースの基礎概念(ER図・正規化・SQL) | データモデリング・データストレージの基礎知識として機能 |
| 情報セキュリティの基礎(暗号化・認証・マルウェア) | データセキュリティ(アクセス制御・データ分類)の土台 |
| 個人情報保護法・プライバシー | データセキュリティ・データガバナンスに直結 |
| 情報システム戦略・DX | データガバナンスの組織・方針設計の背景知識 |
データマネジメント試験に特有の領域
ITパスポートでは扱わない、データマネジメント試験固有の出題範囲として 以下が想定されます。
- データガバナンスの体系(方針・組織・役割・プロセス)
- データ品質の6次元(正確性・完全性・一貫性・適時性・一意性・有効性)
- メタデータ管理・データカタログ・データリネージ
- マスターデータ管理(MDM)・参照データ管理
- データウェアハウス・BI(DWH・ETL・OLAP)の実践
- DMBOK2の知識体系全体(11領域の相互関係)
学習順序の判断フロー
どちらから先に受験するかは、現在の知識レベルと目的によって判断します。
パターン1:IT知識がほぼゼロの方
ITパスポート → データマネジメント試験 の順が推奨です。 ITパスポートで得るIT基礎知識(データベース・セキュリティ・情報システム戦略)が、 データマネジメント試験の学習をスムーズにします。 ITパスポートの学習方法はITパスポート勉強法ガイドをご覧ください。
パターン2:ITパスポート取得済みの方
データマネジメント試験の直接受験が可能です。 ITパスポートで習得した知識(データベース・セキュリティ・DX)を土台に、 DMBOK2の11領域を追加学習することで効率よく準備できます。 ITパスポート取得者のアドバンテージについては後述します。
パターン3:業務でデータに関わっている方(資格未取得)
データマネジメント試験とITパスポートを並行して学習することも合理的です。 DMBOK2の学習を進めながら、重なる部分(セキュリティ・データベース基礎)で ITパスポートの知識を同時に補強できます。
パターン4:SGとDM試験のどちらを選ぶか迷っている方
どちらもレベル2・CBT方式ですが、出題範囲は大きく異なります。 SGとITパスポートの比較についてはSGとITパスポート比較も参考にしてください。
- セキュリティ管理・インシデント対応に関わる業務:SG試験が即効性あり
- データ活用・DX推進・分析業務:データマネジメント試験の方が実務と直結
ITパスポート合格者のアドバンテージ
ITパスポートを取得済みの方がデータマネジメント試験を受験する場合、 以下の点で有利に働きます。
1. データベース基礎の再活用
ITパスポートで学ぶER図・正規化・SQLの基礎は、 データマネジメント試験のデータモデリング・データアーキテクチャ領域と直結します。 「なぜ正規化するのか」「エンティティとは何か」を理解していれば、 DMBOK2の該当領域を学ぶ際の理解速度が上がります。
2. 情報セキュリティの土台
ITパスポートのセキュリティ分野(暗号化・認証・個人情報保護)は、 データマネジメント試験のデータセキュリティ領域の前提知識として機能します。 「なぜアクセス制御が必要か」「プライバシーを守るためのデータ分類」など、 概念を一から学ばずに済む部分が多くあります。
3. CBT試験への適応
ITパスポートでCBT方式(テストセンター受験・スコアレポート形式)に慣れていれば、 同方式のデータマネジメント試験での試験環境の適応コストがゼロです。
4. IPA試験の出題スタイルへの慣れ
IPAの試験は、選択肢の書き方・ひっかけパターン・問題文の読み方に 独特のスタイルがあります。 ITパスポートで培った「IPAの問題の読み方」はデータマネジメント試験でも活きます。
まとめ
- データマネジメント試験はレベル2、ITパスポートはレベル1で明確なステップアップ関係がある
- 問題数はITパスポート(100問)の方が多いが、科目Bの実践問題がある分、質的な難易度はDM試験の方が高い見込み
- データベース・セキュリティ・DX関連の出題領域で重なりがあり、ITパスポートがDM試験の土台になる
- IT知識がない方はITパスポートから、取得済みの方はデータマネジメント試験に直接挑むのが効率的
- SGとDM試験の選択は業務内容で判断するとよい(セキュリティ業務→SG、データ活用→DM)
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よくある質問
データマネジメント試験はITパスポートより難しいですか?
ITスキル標準のレベルで比較するとデータマネジメント試験はレベル2、 ITパスポートはレベル1です。 問題数はITパスポート(100問)の方が多いですが、データマネジメント試験は 科目Bで事例ベースの実践問題が加わるため、質的な難易度はデータマネジメント試験の方が 高い見込みです。
ITパスポートを取得せずにデータマネジメント試験を受験できますか?
IPAの受験資格に学歴・職歴・前提資格の要件はありません。 ただし、ITパスポートの知識(IT基礎・情報セキュリティ・データベース入門)が データマネジメント試験の土台として機能するため、 未取得の場合は同時並行で学習することが効率的です。
ITパスポートに合格済みですが、データマネジメント試験とSG試験どちらを先に受けるべきですか?
業務内容で判断することをおすすめします。 セキュリティ管理・インシデント対応に関わる業務ならSG試験が即効性あり。 データ活用・DX推進・分析業務に関わるならデータマネジメント試験の方が実務と直結します。 どちらもレベル2なので、取得しやすい方から先に始めるのも合理的です。
※ データマネジメント試験(仮称)に関する情報は、IPAが2026年3月31日に公表した 試験制度見直し案に基づいた推定を含みます。最新情報はIPAの公式サイトでご確認ください。