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2026年3月22日

ITパスポート合格率の推移と分析
【H24〜R6年度】難易度は上がっている?

ITパスポート試験の合格率はH24年度の41.1%から現在の49%前後まで推移しています。 IPA公式統計データをもとに、合格率変動の背景・受験者層の変化・難易度評価まで詳しく解説します。

ITパスポート試験とは

ITパスポート試験(iパス)は、経済産業省が所管する独立行政法人IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。 ITを利活用するすべての社会人・学生を対象とした、IT系資格の入門に位置づけられる試験です。

試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施されており、全国のテストセンターで随時受験できます。 ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野から計100問が出題され、 合格基準は総合スコア600点以上、かつ各分野300点以上(1,000点満点)です。

なお、H21年度まではペーパーテスト方式で実施されていたため、 H21年度以前のデータはCBT移行後の年度と単純比較が難しい点に注意が必要です。 本記事では主にCBT移行後のH24年度以降のデータを分析対象とします。

ITパスポート合格率の推移(H21〜R6年度 全データ)

以下は、IPA公式統計データに基づく年度別の受験者数・合格者数・合格率の一覧です。

年度受験者数合格者数合格率備考
H2165,40738,00672.5%ペーパーテスト最終年
H2462,84825,79641.1%CBT移行後
H2567,32632,06447.6%
H2671,46434,21547.9%
H2773,18534,69647.4%
H2877,76537,57048.3%
H2984,23542,43250.4%
H3095,18749,22151.7%
R1103,81256,32354.3%
R2131,78877,51258.8%
R3211,145111,24152.7%
R4231,526119,49551.6%
R5265,040133,29250.3%
R6273,905134,61749.1%

出典: IPA独立行政法人 情報処理推進機構の公開統計データ

合格率変動の背景分析

CBT移行期(H24〜H26)の合格率低下

H21年度のペーパーテスト時代は合格率が72.5%と非常に高い水準でした。 CBT方式に移行したH24年度には合格率が41.1%まで急落しています。 この大幅な低下には複数の要因が考えられます。 まず、CBT方式への切り替えにより受験機会が増え、準備不足のまま受験する層が増加したこと。 次に、試験内容・難易度の見直しも同時期に行われたことが影響しています。 H25〜H26年度には47〜48%台に回復しており、受験者側のCBT方式への適応が進んだと考えられます。

安定期(H27〜R1)での50%前後での推移

H27年度以降は合格率が47〜54%の範囲で安定して推移しています。 特にH29年度(50.4%)からR1年度(54.3%)にかけては緩やかな上昇傾向が見られました。 この時期は受験者数も年7〜10%程度の緩やかな増加であり、 受験者層の質が比較的安定していたと考えられます。 また、ITパスポート対策教材・学習サービスの充実も合格率向上に寄与したとみられます。

コロナ以降(R2〜R3)の受験者急増

R2年度には合格率が58.8%まで上昇しましたが、これはコロナ禍による受験者数の増加と 受験層の変化が影響しています。テレワーク・DX推進の流れを受けて、 ビジネス基礎としてのIT知識習得を目的とした社会人受験者が急増しました。 R3年度には受験者数が前年比60%増の211,145人に達し、 合格者数も111,241人と過去最多水準となりました。 一方、合格率はR2の58.8%からR3の52.7%へと低下しており、 準備不足の受験者が増えた影響と考えられます。出題傾向分析記事でも触れていますが、 この時期からAI・DX関連の出題が増加しており、試験内容の高度化も一因です。

最新年度(R5〜R6)の合格率微減傾向

R5年度(50.3%)・R6年度(49.1%)と、直近では合格率が微減傾向にあります。 受験者数はR6年度で273,905人に達しており、引き続き高水準を維持しています。 合格率の微減は、試験範囲の拡大(生成AI・セキュリティ等の新トピック追加)と 受験者層の裾野拡大による影響が重なっていると分析できます。分野別難易度分析も参考に、 弱点分野を重点的に対策することが合格への近道です。

受験者層の変化

IPA公式統計(R5年度)によると、受験者の内訳は社会人78%・学生22%となっており、 社会人が圧倒的多数を占めています。これはITパスポート試験が 「職場でのIT活用能力の証明」として企業内での取得推奨・必須化が進んでいることを示しています。

属性別の合格率では大きな差があり、社会人の合格率は53.0%に対して、学生の合格率は40.2%(R5年度データ)となっています。 社会人はビジネス実務の知識を活かせるストラテジ系・マネジメント系が得意な傾向があります。 一方、学生はテクノロジ系の技術的な問題は得意でも、 経営・会計・法務などのビジネス知識を問う問題で苦戦する傾向があります。

また、IT企業勤務者だけでなく非IT企業の受験者が増加しており、 製造業・小売業・医療・教育など、あらゆる業種でITパスポート取得が推奨されています。 これはDX推進や情報セキュリティ意識向上を目的とした企業の方針変化を反映しています。 シラバス改訂が合格率に与えた影響についてはシラバス変更点まとめも合わせてご確認ください。

合格率から見る難易度評価

ITパスポートの合格率(約50%)を他のIT系国家試験と比較すると、 その位置づけがよりはっきりわかります。

試験名合格率(参考)難易度区分
ITパスポート約49〜51%エントリ(レベル1)
基本情報技術者約20〜30%レベル2
応用情報技術者約20〜25%レベル3
情報処理安全確保支援士約15〜20%レベル4

合格率50%前後は資格試験として「中程度」の難易度に位置します。 簡単すぎず難しすぎない絶妙な難易度設定がITパスポートの特徴であり、 「きちんと準備すれば合格できるが、無対策では落ちる」試験です。

基本情報技術者試験の合格率(約20〜30%)と比較すると、 ITパスポートは約2倍の合格率であり、初学者でも取り組みやすい入門試験として設計されています。

合格するための戦略

  1. 過去問演習を中心に据える。ITパスポートはCBT方式のため、出題パターンが比較的安定しています。 直近3〜4年分の公開問題を繰り返し解き、出題傾向を体に染み込ませることが最短合格への近道です。
  2. 苦手分野を把握して重点対策する。総合スコアだけでなく、各分野で300点以上が必要です。 1分野でも基準を下回ると不合格になるため、全分野をバランスよく対策してください。
  3. セキュリティとAI分野を最優先で学ぶ。近年の出題傾向として、セキュリティは毎年最多出題(テクノロジ系の約40%)、 AI・DX関連の出題も増加しています。この2分野は必ず押さえてください。
  4. ビジネス知識(ストラテジ系)も手を抜かない。学生受験者の合格率が低い原因の一つが、経営・会計・法務の知識不足です。 テキスト読み込みで基礎用語を整理しておきましょう。
  5. 学習期間は2〜3か月を目安に。1日1〜2時間の学習で2〜3か月が標準的な合格ペースです。 試験はCBT方式で年間を通じて受験可能なため、学習進度に合わせて受験日を設定できます。

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※ 本記事の統計データはIPA独立行政法人 情報処理推進機構が公開している公式統計データに基づいています。 合格率・受験者数・合格者数はIPA公開の年度別統計を使用しています。 他資格の合格率は参考値であり、年度によって変動します。 本記事の内容は情報提供を目的としており、合格を保証するものではありません。