マネジメント系

データ管理の基本 — バックアップ・バージョン・ファイル整理

導入

パソコンが突然壊れてしまい、大切な写真や書類が全部消えてしまったら――そんな経験、あるいは「したらどうしよう」という不安を感じたことはないでしょうか。データ管理の基本を知っておくと、万一のトラブルでも大切なデータを守ることができます。バックアップ・バージョン管理・ファイル整理という3つの柱を一緒に確認していきましょう。

くわしく知ろう

バックアップとは、元のデータが失われたときに備えて、あらかじめ別の場所にデータのコピーを保存しておくことを指します。バックアップの方法には大きく分けて3種類があり、まず「フルバックアップ」はすべてのデータをまるごとコピーする方式です。復元が簡単な反面、毎回のバックアップに時間と容量がかかります。「差分バックアップ」は直前のフルバックアップ以降に変化したデータだけを保存する方式で、バックアップの負荷を抑えながら復元も比較的シンプルに行えます。「増分バックアップ」は前回のバックアップ(フルでも増分でも)以降に変化した部分だけを保存するため、最も容量が少なくて済みますが、復元時には複数世代のバックアップをすべて組み合わせる必要があります。

バージョン管理とは、ファイルやプログラムの変更履歴を時系列で記録・管理する仕組みのことです。「いつ・誰が・何を変えたか」が追えるため、間違えて上書きしてしまったときでも以前の状態に戻すことができます。ビジネスの現場では、Gitのような専用ツールを使って複数人で同じファイルを編集する際の衝突(コンフリクト)を防ぐ用途でも活用されています。身近なところでは、WordやGoogleドキュメントの「変更履歴」や「バージョン履歴」機能もバージョン管理の考え方に基づいています。

ファイル整理の基本は、データを論理的なフォルダ構造(ディレクトリ構造)で整理することです。ファイル名にも日付や版数を含めるルールを設けると、「最終版」「最終版2」「本当に最終」のような混乱を防ぐことができます。また、データを管理する際には、保存場所の冗長性(複数箇所に保存すること)も重要で、「3-2-1ルール」として知られる考え方では、データを3か所以上に、2種類以上のメディアで保存し、うち1か所はオフサイト(別の物理的な場所)に置くことを推奨しています。

具体例

たとえば、会社のシステムでは毎週日曜日にフルバックアップを取り、平日は毎日増分バックアップを実施するという運用が一般的です。こうすることで、万一木曜日にデータが壊れた場合でも、日曜のフルバックアップと月曜〜水曜の増分バックアップを組み合わせて最新の状態に近い形で復元できます。

一方、個人レベルでは、スマートフォンの写真を自動的にクラウドストレージ(インターネット上のサービス)にバックアップしておくのが身近な例として知られています。本体が水没・紛失しても、クラウド上にコピーがあれば新しい端末でそのまま復元できるようになっています。

まとめ・試験ポイント

  • フルバックアップ=全データをコピー、差分バックアップ=前回フルバックアップ以降の変更分、増分バックアップ=前回バックアップ以降の変更分
  • 増分バックアップは容量が最も小さいが、復元時に複数世代が必要
  • バージョン管理=変更履歴を記録し、以前の状態に戻せる仕組み
  • 3-2-1ルール=3か所以上・2種類以上のメディア・1か所はオフサイトに保存
  • ディレクトリ構造とファイル命名規則を整えることで管理効率が上がる
  • 試験ではバックアップの種類(フル・差分・増分)の違いと復元手順が頻出

学習した内容を試験形式で確認しよう。ITパスポート入門試験100問に挑戦できます。

入門試験100問に挑戦する