ストラテジ系

在庫管理とERP — 企業の情報を一元化する仕組み

導入

「在庫が足りない」「仕入れが遅れている」「どの部署が何を発注したかわからない」――このような課題を抱えている企業は少なくありません。ERPとSCMは、こうした情報の断絶を解消するために生まれた仕組みです。

くわしく知ろう

ERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)とは、企業の基幹業務である「販売・購買・在庫・生産・会計・人事」などの情報を一つのシステムに統合し、リアルタイムで共有できるようにする仕組みを指します。たとえば、営業部門が受注した情報がそのまま在庫や会計のデータに反映されるため、転記ミスや情報の行き違いが減ります。国内ではSAP社やOracle社のERPパッケージが広く採用されています。

SCM(Supply Chain Management:サプライチェーン管理)は、原材料の調達から製造・流通・販売に至るまでのモノや情報の流れ全体を可視化し、最適化する考え方です。ERPが「社内の情報統合」を目的とするのに対し、SCMは「サプライヤー(供給者)から顧客に至るまでの社外も含めた連携」に重点を置いています。

在庫管理においては、発注点(在庫がこの量を下回ったら発注する)や安全在庫(突発的な需要増に備えて確保しておく最低限の在庫量)といった概念も重要です。また、JIT(Just In Time:ジャストインタイム)生産方式は、必要なものを必要なときに必要な量だけ生産・調達することで、在庫コストを最小化するトヨタが発祥の考え方として知られています。

具体例

たとえばコンビニでは、販売データがPOSシステムを通じてリアルタイムに本部へ送られ、在庫状況に応じて自動的に発注が行われます。これはSCMの考え方を活用した仕組みです。一方、製造業の大手企業がERPを導入することで、受注・生産・出荷・請求の情報が一元管理され、各部門がリアルタイムで現状を把握できるようになります。

まとめ・試験ポイント

  • ERP=社内の基幹業務(販売・在庫・会計・人事など)を一元管理するシステム
  • SCM=調達から販売までのサプライチェーン全体を最適化する考え方
  • ERPは「社内統合」、SCMは「社外も含めたモノの流れの管理」で区別する
  • JIT(ジャストインタイム)=必要なものを必要なときに必要な量だけ生産・調達
  • 安全在庫=突発的な需要増に備えた最低限の在庫量
  • 試験では「ERPとSCMの違い」や「JITの特徴」を問う出題がよく見られる

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