テクノロジ系

通信技術 — Bluetooth・テザリング・Wi-Fi

導入

スマートフォンのイヤホンをワイヤレスでつないだり、カフェでWi-Fiに接続して動画を見たり――日常のあちこちで無線通信技術が活躍しています。「Bluetooth」「Wi-Fi」「テザリング」といった言葉は聞いたことがあっても、それぞれの違いを正確に説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。

なぜ重要か

無線通信技術は、ITパスポートのテクノロジ系分野のなかでも具体的なサービスやデバイスに直結するテーマです。Wi-Fi・Bluetooth・テザリング・NFCはそれぞれ異なる通信距離・速度・用途を持っており、「どの場面でどの技術を使うか」という選択問題が繰り返し出題されています。

また、5G回線の普及やIoT(モノのインターネット)機器の増加によって、これらの通信技術の重要性は実務の場でも高まっています。スマートオフィスやスマートホームの機器選定、テレワーク環境の設計といった場面でも、通信技術の特性を理解していることが前提として求められます。身近な技術だからこそ、曖昧なまま放置せずに正確な知識として定着させておきましょう。

くわしく知ろう

Wi-Fiとは、IEEE(アイトリプルイー)が策定した無線LAN規格の総称で、家庭や職場・カフェなどに設置された無線LANルーター(アクセスポイント)を介してインターネットに接続する技術のことです。一般的には数十メートルの範囲で通信でき、高速なデータのやりとりが可能な点が特長です。規格は世代によって「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」のように呼ばれ、世代が上がるほど速度や混雑耐性が向上しています。

Bluetoothは、近距離(おおむね10メートル前後)のデバイス同士を直接つなぐための無線通信規格です。アクセスポイントを必要とせず、スマートフォンとワイヤレスイヤホン、キーボードとパソコンのように機器同士を直接接続する用途に向いています。消費電力が比較的小さく、小型の周辺機器に広く採用されています。

テザリングとは、スマートフォンが持つモバイル回線(4G・5G)の接続を、Wi-FiやBluetoothを通じてパソコンやタブレットに共有する機能を指します。外出先にWi-Fi環境がない場合でも、スマートフォンをルーター代わりに使うことでインターネットを利用できるようになります。ただし、モバイルデータ通信量を消費するため、利用しすぎると速度制限がかかる点に注意が必要です。

NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)は、数センチメートルという非常に近い距離でのみ通信できる規格です。交通系ICカードや電子マネーの決済、スマートフォンでのかざすだけの支払いに利用されており、BluetoothやWi-Fiと比べて通信範囲が極めて短いことが特長です。この短距離という特性が、第三者に傍受されにくいセキュリティ上の利点にもなっています。

具体例で理解する

たとえば、新幹線の車内でWi-Fiに接続できない状況でも、スマートフォンのテザリングをオンにすれば、パソコンをインターネットに接続してリモートワークを続けることができます。この場合、スマートフォンはモバイル回線を受信しながらWi-Fi電波を発信するルーターの役割を担っています。一方、コンビニのレジでスマートフォンを軽くかざして支払いを完了させる仕組みはNFCの活用例で、Bluetoothとは異なりペアリング操作が不要なため、素早い決済を実現しています。

試験での出題パターン

【パターン1:通信技術の用途・特徴を選ぶ問題】

「スマートフォンのモバイル回線をパソコンと共有する機能はどれか」「かざすだけで決済できる通信技術はどれか」という形式が頻出です。Wi-Fi・Bluetooth・テザリング・NFCという4つのキーワードと、それぞれの「通信距離」「接続方式(アクセスポイント有無)」「主な用途」を対応付けて覚えておくと選択問題に素早く対応できます。

【パターン2:通信距離・通信速度の比較問題】

「Wi-FiとBluetoothの違いを述べた記述のうち正しいものはどれか」という形式では、Wi-Fiが数十メートル・アクセスポイント経由・高速、Bluetoothが約10メートル・直接接続・低消費電力という対比を正確に把握しておくことが求められます。

【パターン3:NFCとBluetoothを区別する問題】

両者はいずれも近距離の無線通信ですが、NFCは数センチメートルでペアリング不要、Bluetoothは数メートルでペアリング必要という点が大きく異なります。「電子マネー決済に使われる技術はどれか」という問いでBluetoothを選ぶのは誤りです。NFCとBluetoothは混同しやすいため、用途と距離のセットで記憶しておきましょう。

よくある間違い・紛らわしいポイント

【テザリングとWi-Fiの関係の誤解】

テザリングを使うとスマートフォンがWi-Fiの電波を発信しますが、「テザリング=Wi-Fi」ではありません。テザリングはモバイル回線をほかのデバイスに共有する「機能」の名称であり、Wi-Fiはその手段の一つにすぎません。USB接続やBluetooth経由でテザリングを行うこともできます。試験では「テザリングのためにWi-Fi規格を知っている必要があるか」という文脈で問われることがあるため、機能と規格を区別して理解しておきましょう。

【NFCとBluetoothの混同】

どちらも近距離の無線通信ですが、用途と距離が大きく異なります。NFCは決済・認証用の「かざす」通信(数センチ、ペアリング不要)、Bluetoothはイヤホンや入力デバイスとの常時接続用の通信(約10メートル、ペアリング必要)です。「改札でSuicaをかざすのはBluetoothを使っているから」は誤りで、正しくはNFCまたはFelicaという規格が使われています。

【Wi-Fi 5・Wi-Fi 6の違いの混同】

世代が上がるほど速度・安定性・混雑耐性が向上していますが、試験では具体的な速度数値よりも「世代が上がると改善される点はどれか」という方向性の問いが出ることがあります。「Wi-Fi 6は接続台数が多い環境でも安定して通信できる」という特徴を押さえておくと対応できます。

まとめ・試験ポイント

  • Wi-Fi=アクセスポイント経由でインターネット接続、数十メートルの範囲で高速通信
  • Bluetooth=アクセスポイント不要、機器同士を直接接続、通信範囲は約10メートル
  • テザリング=スマートフォンをルーター代わりにしてモバイル回線を共有する機能
  • NFC=数センチの近距離通信、電子マネー・ICカードに利用、ペアリング不要
  • 試験では「どの通信技術をどの場面で使うか」を選ばせる問題や、各技術の通信距離・特徴の違いを問う出題が頻出

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