テクノロジ系

プログラミング基礎 — 順次・分岐・繰り返し

導入

毎朝のコーヒーを淹れる手順、スマホのナビで目的地までのルートを計算する仕組み――実は、こうした日常の「処理の流れ」はコンピュータが命令を実行するときの考え方と非常によく似ています。プログラムも、基本的には「上から順にやる」「条件によって分ける」「同じことを繰り返す」という3つの構造の組み合わせで成り立っているのです。

なぜ重要か

ITパスポート試験のテクノロジ系分野において、プログラミングの基礎は毎回安定して出題される重要テーマです。特に「順次・分岐・繰り返し」の3構造とフローチャートの読み解き問題は、ほぼ毎年試験に登場しており、基本さえ押さえれば確実に得点できる分野として知られています。

また、プログラミング的思考は試験対策にとどまらず、業務改善やシステム発注の現場でも活きる汎用スキルです。「この処理はどこで分岐しているか」「どの部分を繰り返しているか」という視点を持つことで、ベンダーや開発担当者との会話がスムーズになります。DXが加速する現代において、非エンジニアでもプログラミングの基礎概念を理解しておくことが、ビジネスパーソンの共通リテラシーとして求められるようになっています。

くわしく知ろう

プログラムの基本構造は「順次・分岐・繰り返し」の3つで構成されています。この3つを組み合わせることで、どんな複雑な処理も表現できるとされており、「構造化プログラミング」の基礎として知られています。

「順次(じゅんじ)」とは、命令を上から順番に、一つずつ実行していく流れのことを指します。レシピで「まずお湯を沸かし、次にカップに注ぎ、最後にコーヒーを加える」と手順が書かれているのと同じイメージです。コンピュータは特別な指示がない限り、プログラムを書かれた順序どおりに実行していきます。

「分岐(ぶんき)」とは、ある条件が成り立つかどうかによって、実行する処理を切り替える構造を指します。「もし(if)〜ならばAの処理を、そうでなければBの処理を行う」という形が代表的です。たとえば「残高が足りれば決済する、足りなければエラーを表示する」という処理は、この分岐の仕組みで実現されています。

「繰り返し(くりかえし)」は、一定の条件が満たされている間、あるいは指定した回数だけ、同じ処理を繰り返す構造を指します。ループとも呼ばれ、「クラスの全生徒の点数を合計する」「リストのすべての商品を画面に表示する」といった場面で欠かせない仕組みになっています。

「変数(へんすう)」とは、計算の途中結果や入力された値を一時的に記憶しておくための「名前のついた箱」のようなものを指します。また、処理の流れを視覚的に図で表したものを「フローチャート(流れ図)」といいます。長方形が処理、ひし形が分岐条件を表すなど、決められた記号を使ってプログラムの流れを一目で確認できるようになっています。

具体例で理解する

たとえば、自動販売機の動作をプログラム的に考えると、「お金が投入される(順次)」→「金額が足りているか確認する(分岐)」→「商品が選ばれるまで待つ(繰り返し)」という流れで整理できます。コンビニのセルフレジや信号機の制御など、身の回りのあらゆる電子機器の動きが、この3つの構造によって設計されています。フローチャートはプログラムを書く前に処理の流れを整理するために使われ、ひし形の「条件」記号から「はい」と「いいえ」の2方向に線が伸びる形が特徴的です。

試験での出題パターン

【パターン1:フローチャートの記号の意味を問う問題】

「ひし形(◇)の記号が表すものはどれか」という形式で、記号と意味の対応を問う問題が頻出です。長方形=処理、ひし形=分岐(条件)、角丸の長方形=端子(開始・終了)という基本セットを確実に覚えておくと対応できます。

【パターン2:処理の場面に対応する基本構造を選ぶ問題】

「クラス全員30名の点数を合計するために、1人分の加算処理を30回繰り返している。この構造はどれか」という問い方です。「繰り返す」「同じ処理を何度も行う」というキーワードが出たら「繰り返し(ループ)」、「条件によって処理を変える」なら「分岐」、「上から順に実行する」なら「順次」と対応させて考えると判断が速くなります。

【パターン3:変数の概念を問う問題】

変数を「データを記憶する領域」として説明する選択肢が正解になるパターンです。「名前のついた箱」というイメージを持っておくと、誤答選択肢(定数・配列など)との区別がしやすくなります。

よくある間違い・紛らわしいポイント

【「変数」と「定数」の混同】

変数は実行中に値が変わる可能性がある記憶領域です。一方、定数は一度設定したら変更できない固定値を指します。「消費税率」のように変わらない値を定数として扱い、「合計金額」のように計算のたびに変わる値を変数として扱うという使い分けを押さえておくと整理しやすくなります。

【「繰り返し」と「順次」の誤選択】

「10種類の商品を順番に画面に表示する」という場面では、「順番に」という言葉に引っ張られて「順次」を選んでしまいがちです。しかし、同じ「表示する」という処理を10回繰り返している点に注目すると「繰り返し」が正解になります。「同じ処理を複数回行う」かどうかを判断のポイントにすることが大切です。

【フローチャートの記号の混同】

長方形と角丸の長方形(端子)は見た目が似ているため混同しやすい組み合わせです。角丸の長方形はプログラムの「開始」と「終了」にしか使いません。また、ひし形は必ず2方向以上に分岐する点が特徴で、「はい」か「いいえ」かに対応する矢印が出ていることを確認すると判断しやすくなります。

まとめ・試験ポイント

  • 順次=命令を上から順番に実行する基本の流れ
  • 分岐=条件によって処理を切り替える(if〜then〜else)
  • 繰り返し=条件が満たされる間、同じ処理を繰り返す(ループ)
  • 変数=値を一時的に記憶しておく「名前のついた箱」(定数は固定値)
  • フローチャート=処理の流れを図で表したもの(長方形=処理、ひし形=分岐、角丸長方形=端子)
  • 試験では3つの構造の名称・フローチャートの記号・変数の概念を問う問題が頻出

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