ストラテジ系

テレワークとクラウドソーシング — 変わる働き方

導入

コロナ禍をきっかけに「今日は自宅で仕事します」という光景がすっかり身近になりましたが、こうした働き方が広まった背景にはITの進化があります。テレワークやクラウドソーシングは、場所や時間にとらわれない新しい仕事のスタイルとして定着しつつあります。ITパスポート試験でも「変わる働き方」は頻出テーマのひとつですので、ここでしっかり押さえておきましょう。

なぜ重要か

ITパスポート試験のストラテジ系では、テレワークの種類(在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務)とそれを支える技術(VPN)の組み合わせ問題、およびクラウドソーシングの定義問題が毎回のように出題されます。「クラウドソーシング」の「クラウド」が「群衆(crowd)」であり、クラウドコンピューティングとは別概念であることを問う問題は特に頻出です。

実務においても、テレワーク環境の整備は多くの企業で続いています。VPNの正しい利用方法を知らずに社内データへ接続すると情報漏洩リスクが生じます。また、クラウドソーシングは企業が外部の専門人材を活用するコスト効率の高い手段として定着しており、フリーランスとしての働き方も含めて基礎知識として押さえておくことが求められています。

くわしく知ろう

テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用して、オフィス以外の場所で働くことを指します。自宅で行う「在宅勤務」のほかに、カフェや図書館など自由な場所で働く「モバイルワーク」、会社の近くに設けたサテライトオフィスを利用する「サテライトオフィス勤務」などの形態があります。いずれも、従業員が分散した場所にいながらも業務を遂行できる点が共通しています。

テレワークを支える技術として重要なのがVPN(Virtual Private Network:仮想専用ネットワーク)です。インターネット上に安全な専用回線を仮想的に構築し、社内ネットワークに暗号化された状態で接続できるようにする仕組みになっています。これにより、自宅のパソコンから会社のサーバーに安全にアクセスすることが可能になっています。

一方、クラウドソーシングとは、企業や個人が仕事の一部をインターネット上で不特定多数の人に発注する仕組みのことです。「クラウド(crowd:群衆)」と「ソーシング(sourcing:外部調達)」を組み合わせた言葉で、クラウドコンピューティングとは別の概念です。デザイン・翻訳・プログラミングといった仕事を細かく分割し、専門スキルを持つ個人に委託できる点が特徴として知られています。

また、特定の組織に属さず複数の企業と業務委託契約を結んで働く人をフリーランスと呼びます。クラウドソーシングはフリーランスが仕事を獲得する手段としても広く活用されています。

具体例で理解する

システム開発会社に勤めるエンジニアが、VPNで社内ネットワークに接続しながら自宅のパソコンで業務を行う場合、これが在宅勤務型のテレワークにあたります。一方、新しくECサイトを立ち上げたい個人事業主がクラウドソーシングサービスを使い、ロゴデザインをフリーランスのデザイナーに発注するのがクラウドソーシングの典型的な活用場面です。どちらも、インターネットとITツールがあってはじめて成り立つ新しい働き方といえます。

試験での出題パターン

【パターン1:クラウドソーシングの定義を問う問題】

「仕事をインターネット上で不特定多数に発注・受注する仕組みはどれか」という形式が典型的です。選択肢にはクラウドコンピューティング・VPN・アウトソーシングなどが並びます。「クラウドソーシング」の「クラウド」が「群衆(crowd)」であること、クラウドコンピューティングの「クラウド」(cloud:雲)とは全く別の言葉であることを確認しておくことが大切です。

【パターン2:テレワークの形態とVPNの組み合わせを問う問題】

「自宅のパソコンから会社ネットワークに安全に接続する技術はどれか(答え:VPN)」「カフェで業務を行うテレワークの形態はどれか(答え:モバイルワーク)」という問われ方が代表的です。在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3形態を定義とあわせて押さえておき、VPNが「仮想的な専用回線を構築して暗号化通信を行う技術」であることを正確に説明できるようにしておきましょう。

よくある間違い・紛らわしいポイント

【クラウドソーシングとクラウドコンピューティングの混同】

クラウドソーシング(Crowdsourcing)の「クラウド」は「群衆(crowd)」を意味し、インターネット上で不特定多数の人に業務を発注・受注する仕組みを指します。クラウドコンピューティングの「クラウド」は「雲(cloud)」を意味し、インターネット経由でサーバーやソフトウェアを利用するIT基盤のことです。スペルからして別の単語であり、試験でも混同を狙った選択肢がよく出るため注意が必要です。

【テレワークとリモートワークの関係】

日本語圏では「テレワーク」と「リモートワーク」が同じ意味で使われることがありますが、ITパスポート試験では「テレワーク」という用語が正式な試験用語として使われます。在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3形態はいずれもテレワークの下位概念として整理されています。

【VPNとファイアウォールの役割の違い】

VPNはインターネット上に仮想的な専用回線を作り、外部から社内ネットワークに安全にアクセスするための技術です。ファイアウォールは社内ネットワークへの不正なアクセスを防ぐフィルタリング機能を指します。「外から安全につなぐ=VPN」「不正な通信を遮断する=ファイアウォール」という役割の違いを押さえておきましょう。

まとめ・試験ポイント

  • テレワーク=ICTを活用してオフィス以外で働く形態(在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務)
  • VPN=インターネット上に仮想的な専用回線を構築し暗号化して社内接続する技術
  • クラウドソーシング=仕事をインターネット上で不特定多数に発注する仕組み(crowd=群衆)
  • 「クラウドソーシング」のクラウドは「群衆(crowd)」、クラウドコンピューティングとは別概念
  • フリーランス=特定の組織に属さず複数の依頼主と業務委託契約を結んで働く人
  • 試験では「テレワークの3形態」「VPNの役割」「クラウドソーシングの定義」が頻出

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