論理演算と論理回路 — ANDとORがコンピュータを動かす理由
導入
スマートフォンの中では毎秒何十億もの計算が行われていますが、その根底にあるのは「0か1か」という単純な判断の積み重ねです。この0と1の組み合わせを操る仕組みが論理回路で、コンピュータのすべての演算はここから始まります。
くわしく知ろう
論理演算とは、0(偽)と1(真)の2値を入力して0または1を出力する演算を指します。この演算を電子回路にしたものが論理ゲートで、CPUの計算回路はこれらの組み合わせで構成されています。
ANDゲートは2入力がともに1のとき出力1、ORゲートは少なくとも一方が1のとき出力1、NOTゲートは入力を反転します。NANDゲート(ANDの否定)とNORゲート(ORの否定)は単独でAND・OR・NOTすべてを表現できる「万能ゲート」として知られています。XORゲートは「入力が異なるときだけ1」を返す排他的論理和で、加算器の設計に不可欠です。各ゲートの動作は真理値表(入力の全パターンと出力を一覧にした表)で完全に定義されます。
ド・モルガンの法則は論理式変換の重要な規則で、「AかつBの否定」は「Aの否定またはBの否定」に、「AまたはBの否定」は「Aの否定かつBの否定」に等しいという2つの変換規則を示しています。これを使うとNANDをOR+NOT系の式に書き換えるなど、回路設計の簡略化に役立ちます。
半加算器は1ビット加算回路で、XORで「和」を、ANDで「桁上がり(キャリー)」を出力します。全加算器は下位からのキャリーも含めた加算を行い、多ビット整数演算を実現します。フリップフロップはクロック信号に同期して1ビットの状態を保持する記憶素子です。
具体例
たとえば自動ドアの「人が来た、かつ、営業時間内」という条件はANDゲートに対応し、どちらかの条件が欠けてもドアは開きません。一方、スマートフォンの指紋または顔認証でロックが解除される仕組みはORゲートの考え方に相当します。
まとめ・試験ポイント
- AND=両入力が1のとき出力1、OR=少なくとも一方が1のとき出力1、NOT=入力を反転
- XOR=入力が異なるとき出力1(半加算器の和の計算に使用)
- NAND・NOR=万能ゲート(AND・OR・NOTすべてを単独で構成可能)
- ド・モルガンの法則=「AかつBの否定」=「Aの否定またはBの否定」(方向に注意)
- 半加算器=XOR(和)+AND(キャリー)、全加算器は下位キャリーも加算
- 試験では真理値表の読み取り、ド・モルガン変換、半加算器の出力を問う出題が多い
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