データマネジメント基礎

コネクタとIngestion API — Salesforce製品・S3・カスタム連携

導入

Data Cloudはさまざまなシステムとどのようにつながるのでしょうか。Salesforce製品との連携から、独自システムのリアルタイムデータ送信まで、コネクタとAPIの種類を知ることで適切な連携方式を選べるようになります。

くわしく知ろう

Data Cloudへのデータ連携には、大きく「コネクタ」と「Ingestion API」の2系統があります。まずコネクタとして代表的なのが「Sales Cloud Connector(セールスクラウドコネクタ)」と「Marketing Cloud Connector(マーケティングクラウドコネクタ)」です。これらはSalesforce製品とのネイティブ統合で、設定画面から対象オブジェクトを選ぶだけでデータが同期されます。特別な開発なしに使えることが最大のメリットです。Marketing Cloudとの接続では「Marketing Cloud Growth」や「Marketing Cloud Engagement」のデータをData Cloudに集約できます。

「Amazon S3 Connector(S3コネクタ)」は、Amazon S3バケットに配置されたCSVやParquetファイルをData Cloudに取り込む方式です。サードパーティシステムからのエクスポートデータや、既存のデータレイクに蓄積されたバルクデータを連携する場合に活用されます。

「Ingestion API(インジェスチョンAPI)」は、Salesforce製品以外のカスタムアプリや外部サービスからHTTPSリクエストでData Cloudにデータを送信する仕組みです。Ingestion APIには「Bulk Ingestion(バルクインジェスチョン)」と「Streaming Ingestion(ストリーミングインジェスチョン)」の2つのモードがあります。Bulk Ingestionは大量データをまとめて送信するバッチ的な使い方、Streaming IngestionはイベントごとにリアルタイムでAPI呼び出しを行う使い方です。Ingestion APIを使うには「Connected App(接続アプリケーション)」の設定による認証が必要です。

また「BYOL(Bring Your Own Lake)」という概念もあります。これは企業がすでに保有するデータレイク(Snowflakeや独自のクラウドストレージ等)を Data Cloudと直接接続し、データをコピーせずに参照・活用する方式を指します。MuleSoftを使ったAPI統合もData Cloud連携の手段として活用されています。

具体例

たとえばSales CloudのAccount・Contact情報はSales Cloud Connectorで自動同期し、モバイルアプリの利用ログはStreaming Ingestion APIを呼び出してリアルタイムに送信し、月次の購買集計データはS3にCSVを置いてAmazon S3 Connectorで取り込む——といった複数方式の組み合わせが実際のプロジェクトでは一般的です。

まとめ・試験ポイント

  • Sales Cloud Connector=Sales CloudオブジェクトをノーコードでData Cloudに同期するコネクタ
  • Marketing Cloud Connector=Marketing Cloud EngagementやGrowthのデータを集約するコネクタ
  • Amazon S3 Connector=S3バケット上のファイルをバッチ取り込みするコネクタ
  • Ingestion API=カスタムアプリ・外部サービスからHTTPSで直接データを送信する仕組み
  • Bulk Ingestion=大量データをまとめて送信するバッチモード
  • Streaming Ingestion=イベントごとにリアルタイムで送信するモード
  • BYOL(Bring Your Own Lake)=既存データレイクをコピーせずに参照・活用する方式
  • 試験では外部カスタムシステムからのリアルタイム送信にIngestion APIを選ぶ判断が問われやすい

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