データマネジメント基礎

Unified Data Modelの設計 — カスタムDMOとリレーションシップ

導入

Data Cloudにデータを取り込んだとき、すべてのデータが既存の型に収まるとは限りません。Unified Data Modelという設計思想を理解すると、どこに標準の枠組みを使い、どこに独自の構造を追加すべきかが見えてきます。

くわしく知ろう

Data Cloudのデータモデルは「Unified Data Model(統合データモデル)」と呼ばれる体系で管理されています。この体系の中心を成すのが「DMO(Data Model Object)」で、Salesforceがあらかじめ用意した「標準DMO(Standard DMO)」と、管理者が独自に追加する「カスタムDMO(Custom DMO)」の2種類が存在します。

標準DMOにはIndividual(個人)、Contact Point Email(メール連絡先)、Contact Point Phone(電話連絡先)、Contact Point Address(住所連絡先)、Sales Order(受注)、Product(商品)などが含まれます。これらはSalesforce製品間での共通語彙として機能しており、Identity Resolutionやセグメント処理はこの標準DMOを前提に設計されています。標準DMOにマッピングできるデータは、できる限り標準DMOを使うことが推奨されます。

ビジネス固有のデータ(独自の資産管理台帳や予約システムのデータなど)を取り扱う場合は、カスタムDMOを追加します。カスタムDMO同士、またはカスタムDMOと標準DMOを結びつける方法として「Lookup Relationship(参照関係)」と「Reference Relationship(参照整合関係)」の2種類があります。Lookup Relationshipは、参照先レコードが存在しなくても関係を定義できる緩やかな結合です。一方、Reference Relationshipは参照先の存在を前提とし、整合性チェックが強制される結合です。

DMOはさらに「Subject Area(主題領域)」と「Data Category(データカテゴリ)」によって分類・整理されます。Subject Areaは「顧客」「注文」「エンゲージメント」などのビジネス領域を表し、Data Categoryは各DMOがどの業務領域に属するかを示す分類軸です。

具体例

たとえば旅行会社が「航空予約」という独自データをData Cloudで扱う場合、標準DMOにそのまま収まらないため、カスタムDMOとして「FlightBooking」を追加します。そのうえで、FlightBookingからIndividual(個人)への参照をLookup Relationshipで設定することで、顧客プロファイルと予約履歴を結びつけた分析が可能になります。

まとめ・試験ポイント

  • Unified Data Model=Data Cloudのデータ構造を体系的に管理するモデル
  • 標準DMO=SalesforceがあらかじめIndividual・Contact Point・Sales Order等として定義したオブジェクト
  • カスタムDMO=ビジネス固有のデータ構造を追加するために管理者が作成するオブジェクト
  • Lookup Relationship=参照先の存在を必須としない緩やかな結合
  • Reference Relationship=参照先の存在を前提とし整合性チェックが強制される結合
  • Subject Area/Data Category=DMOをビジネス領域・業務分類で整理する分類軸
  • 試験では標準DMOの例示とカスタムDMO追加の判断基準が問われやすい

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