Identity Resolution入門 — 分断された顧客を1つのプロファイルに
導入
同じ人物のデータが「田中太郎」「T.Tanaka」「tanaka@example.com」という複数の形で別々に保存されていたら、どう一致させればよいでしょうか。Data CloudのIdentity Resolutionは、この名寄せを自動的に行う仕組みです。
くわしく知ろう
Identity Resolution(ID解決)は、異なるソースや異なる表記で存在する複数の顧客レコードを突き合わせ、同一人物と判断されるレコードを「Unified Individual(統合個人プロファイル)」として一つにまとめる処理を指します。この処理がData CloudのIdentifyレイヤーで行われます。
名寄せの根拠となるのが「マッチングルール」です。マッチングルールでは、メールアドレスの完全一致、電話番号の一致、氏名と住所の組み合わせ一致など、どの条件でレコードを同一人物と判断するかを定義します。条件が完全に一致する場合を「確定的マッチ(Deterministic Match)」と呼びます。一方、完全一致ではないが統計的な類似度が高い場合に同一人物と推定する手法を「確率的マッチ(Probabilistic Match)」と呼び、氏名の表記揺れや郵便番号との組み合わせなどが活用されます。
複数のレコードが同一人物と判定された場合、どの値をUnified Individualの正規値として採用するかを決める仕組みが「Reconciliation(照合ルール)」です。たとえば最も新しい更新日のレコードの値を優先する、特定のソースの値を優先するといったルールを設定できます。正確なマッチングルールとReconciliationの設計が、Unified Individualの品質を大きく左右します。
具体例
たとえばウェブフォームから取得したレコードに「tanaka@example.com」、CRMに「田中太郎・090-xxxx-xxxx」が登録されている場合、メールアドレスと電話番号を組み合わせたマッチングルールにより同一人物と判定され、両方の情報を持つUnified Individualが生成されます。
まとめ・試験ポイント
- Identity Resolution=複数ソースの顧客レコードを名寄せして統合プロファイルを生成する処理
- Unified Individual=名寄せ後に生成される統合個人プロファイル
- マッチングルール=同一人物と判断する条件(メール一致・氏名+住所の組み合わせ等)を定義する設定
- 確定的マッチ=条件が完全に一致する場合の名寄せ手法
- 確率的マッチ=統計的類似度による名寄せ手法(表記揺れ・部分一致に有効)
- Reconciliation=複数レコードの値のうちUnified Individualに採用する値を決める照合ルール
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