データマネジメント基礎

実装ライフサイクル — 環境戦略・メタデータAPI・リリース管理

導入

開発環境で完成した設定を本番へ安全に移行するにはどうすればよいでしょうか。Data Cloudの実装ライフサイクルを理解することで、環境戦略とリリース管理の全体像が見えてきます。

くわしく知ろう

Data Cloudの実装では、本番環境と分離した「Sandbox(サンドボックス)」環境を使って設定を開発・テストし、検証済みの設定を本番へ移行する流れが基本です。Data Cloud用のSandboxには「Data Cloud Sandbox」と「Full Sandbox」があります。Full Sandboxは本番環境の完全なコピーを持つ環境ですが、データ容量の上限など本番とは異なる制約があります。また、Data Cloud Sandboxはデータ取り込みやセグメント処理など主要機能を試用できますが、接続できるData Stream数やCreditsに制限があります。

設定の環境間移行には「メタデータAPI(Metadata API)」が使えます。メタデータAPIで移行できる設定には、データストリーム定義・DMOマッピング・セグメント定義・Identity Resolution Rulesetなどがあります。一方で、Data Streamに紐づいた認証情報(接続先のAPIキーや認証トークンなど)はメタデータAPIでは移行できない代表例です。移行後に本番環境で再設定が必要になる点を事前に把握しておくことが重要です。

パッケージ化による移行という観点では、Salesforceの「Unlocked Package」「Managed Package」を使って設定コンポーネントを束ねて管理する方法もあります。一方、従来のChange Setはサポートが限定的で、Data Cloud固有の設定コンポーネントをすべてカバーしているわけではないため、メタデータAPIの直接操作と組み合わせた移行計画が推奨されます。

DC-01からDC-20までを通じてData Cloud(Data 360)の全体像を学んできました。Salesforce認定試験に向けては、各レイヤーの役割・用語の定義・機能の使い分けを改めて整理してから臨むとよいでしょう。

具体例

たとえばData Cloud Sandboxでセグメント定義とIdentity Resolution Rulesetを作成・検証し、メタデータAPIでそれらを本番へ移行した場合、Data Streamに設定した接続先の認証情報は移行されないため、本番環境での再設定が必要になります。

まとめ・試験ポイント

  • Data Cloud Sandbox=主要機能を試用できる開発・テスト用環境(Data Stream数やCreditsに制限あり)
  • Full Sandbox=本番の完全コピーだがデータ容量など本番と異なる制約が存在する
  • メタデータAPI=環境間で設定コンポーネント(セグメント定義・DMOマッピング等)を移行できる手段
  • 移行不可の代表例=Data Streamの認証情報(APIキー・認証トークンなど)は再設定が必要
  • Unlocked Package/Managed Package=設定をパッケージ化して管理・移行する方式
  • Change Setはデータクラウド固有コンポーネントへの対応が限定的なため、メタデータAPIとの併用を推奨

Data Cloudの全体像をさらに深く理解しよう。5層アーキテクチャ・認定資格・導入時の注意点までを体系的に解説した記事を用意しています。

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