DMBOK2の11知識領域とは
DMBOK2(Data Management Body of Knowledge, 第2版)は、データマネジメントの国際的な知識体系です。 DAMA International(データ管理者協会)が策定し、組織がデータを価値ある資産として管理するための フレームワークを提供しています。
DMBOK2は11の知識領域(Knowledge Areas)で構成されています。 それぞれの領域は独立したテーマを扱いながら、相互に関連し合っています。 11領域を一覧すると以下のとおりです。
| No. | 英語名 | 日本語 |
|---|---|---|
| 1 | Data Governance | データガバナンス |
| 2 | Data Architecture | データアーキテクチャ |
| 3 | Data Modeling & Design | データモデリング&設計 |
| 4 | Data Storage & Operations | データストレージ&オペレーション |
| 5 | Data Security | データセキュリティ |
| 6 | Data Integration & Interoperability | データ統合&相互運用性 |
| 7 | Documents & Content | ドキュメント&コンテンツ管理 |
| 8 | Reference & Master Data | 参照データ&マスターデータ管理 |
| 9 | Data Warehousing & Business Intelligence | データウェアハウジング&BI |
| 10 | Metadata | メタデータ管理 |
| 11 | Data Quality | データ品質管理 |
※番号は学習上の整理順序であり、DMBOK2公式の優先順位ではありません。
DMBOK2では、データガバナンス(領域1)がすべての領域を統括する中核機能として位置づけられています。 残る10領域はデータガバナンスの方針に従って実務的な管理活動を行うという構造です。 詳しくはDMBOK概要単元で学べます。
試験頻出度ランキング(最高・高・中の3レベル)
データマネジメント試験(仮称)はIPA公式のシラバスが未公開(2026年夏公開見込み)のため、 現時点での頻出度予測はDMBOK2の位置づけ・IPA公式発表・類似試験の出題傾向をもとにした推定です。 シラバス公開後に情報を更新しますが、以下の優先度で学習を進めることを推奨します。
最高頻出:合否を左右する中核3領域
| 領域 | 高頻出と予測する理由 | 学習単元 |
|---|---|---|
| データガバナンス | DMBOK2で全領域を統括する中核機能。データオーナー・ポリシー・品質基準の概念は他の全領域の前提となるため、試験でも横断的に問われる | データガバナンス単元 |
| データ品質管理 | DXの実務課題として政府・企業で最重視されるテーマ。Garbage In, Garbage Out問題はAI活用の文脈でも頻出。IPA公式発表でもデータ品質への言及が多い | データ品質管理単元 |
| メタデータ管理 | データカタログ・データリネージ・ビジネス用語集など、データ活用基盤として欠かせないテーマ。データガバナンスと密接に関連し、試験での横断的な出題が見込まれる | メタデータ管理単元 |
高頻出:確実に押さえたい5領域
| 領域 | 高頻出と予測する理由 | 学習単元 |
|---|---|---|
| データアーキテクチャ | エンタープライズデータモデル・データフロー設計など、組織のデータ基盤設計を扱う。システム試験との親和性が高く応用的な問題が予測される | データアーキテクチャ単元 |
| データモデリング&設計 | ER図・正規化・データ型など情報処理試験の定番テーマ。ITパスポートからの継続出題領域であり、類似問題が出やすい | データモデリング単元 |
| データセキュリティ | 個人情報保護法・GDPR・アクセス制御・暗号化など、情報セキュリティマネジメント試験と重複する出題が見込まれる。法律知識と技術知識の両方が問われる | データセキュリティ単元 |
| 参照データ&マスターデータ管理 | 顧客・商品・取引先などマスターデータの一元管理はDXの根幹テーマ。マスターデータ管理(MDM)という用語はITパスポートにも登場する | マスターデータ管理単元 |
| データウェアハウジング&BI | データウェアハウス・データレイク・BIツール活用など、データ分析基盤のテーマ。経営判断への活用という文脈でIPA試験と親和性が高い | データウェアハウス・BI単元 |
中頻出:基本概念を押さえておく3領域
| 領域 | 出題ウェイト予測 | 学習単元 |
|---|---|---|
| データストレージ&オペレーション | RDBMS・NoSQL・バックアップ・パフォーマンスチューニングなど。技術的に深い問題よりも概念的な理解が問われる傾向と予測 | データストレージ単元 |
| データ統合&相互運用性 | ETL・API・データ連携アーキテクチャなど。システム連携の概念理解が中心で、深い実装知識よりも概要が問われる | データ統合単元 |
| ドキュメント&コンテンツ管理 | 非構造化データ(文書・画像・動画)の管理が主テーマ。DMBOK2では明示的に扱われるが、他領域に比べると実務試験での優先度は中程度 | ドキュメント・コンテンツ管理単元 |
重要な前提
上記の頻出度予測は、2026年5月時点のIPA公式発表・DMBOK2の構成・類似試験の出題傾向をもとにした推定です。 2026年夏公開予定のシラバスによって優先度が変わる可能性があります。 シラバス公開後に内容を更新しますので、最新情報は試験範囲予測記事もあわせてご確認ください。
領域間の関係性マップ(横断構造)
11領域はそれぞれ独立していますが、相互に深く関連しています。 学習順序を効率化するために、領域間の依存関係を理解しておくことが重要です。
データガバナンスを起点とした放射構造
DMBOK2の最大の特徴は、データガバナンスが「すべての領域を統括する」位置づけにある点です。 データガバナンスで定めたポリシー・ルール・責任体制が、残る10領域の実務活動の根拠になります。
- データガバナンス → データ品質管理:ガバナンスで品質基準とKQI(主要品質指標)を定め、品質管理で実測・改善を実施する
- データガバナンス → メタデータ管理:ガバナンスでデータ定義・命名規則を制定し、メタデータ管理で一元的に整備・公開する
- データガバナンス → データセキュリティ:ガバナンスでアクセス権限ポリシーを定め、セキュリティで技術的実装(暗号化・ログ管理等)を行う
- データガバナンス → マスターデータ管理:ガバナンスでマスターデータのオーナーシップを定め、MDMで物理的な一元管理を実装する
技術基盤としての連携構造
データアーキテクチャ・データモデリング・データストレージ・データ統合の4領域は、 データを保管・流通させる技術基盤を構成します。
- データアーキテクチャがデータ全体の設計図を描き、
- データモデリングが個々のデータ構造を定義し、
- データストレージでデータを物理的に格納・運用し、
- データ統合でシステム間のデータを連携させる、
という階層関係があります。
価値創出としての分析基盤
データウェアハウジング&BI・マスターデータ管理の2領域は、 蓄積したデータを分析・意思決定に活用する「価値創出」フェーズを担います。 詳しい学習ロードマップについては、データライフサイクル管理単元と合わせてご覧ください。
4週間学習プラン(週別スケジュール)
以下のスケジュールは、ITパスポートをすでに取得している方を対象に、 1日1〜2時間(週5〜7日)の学習を前提としています。 目標は「11領域の基本概念を一通り理解すること」です。 本格的な問題演習はシラバス公開後に別途実施してください。
Week 1:土台固め(ガバナンス中心)
| 日 | 学習内容 | 単元 |
|---|---|---|
| Day 1 | DMBOK2の全体像・11領域の位置関係を把握する | DMBOK概要 |
| Day 2〜3 | データガバナンスの概念・ロール・ポリシー策定を学ぶ | データガバナンス |
| Day 4〜5 | データ品質管理の基本(品質指標・改善サイクル・DQ問題の原因)を学ぶ | データ品質管理 |
| Day 6〜7 | メタデータ管理の概念(ビジネス/技術/運用メタデータ・データカタログ)を学ぶ | メタデータ管理 |
Week 2:技術基盤を理解する
| 日 | 学習内容 | 単元 |
|---|---|---|
| Day 8〜9 | データアーキテクチャの設計原則・エンタープライズデータモデル・データフローを学ぶ | データアーキテクチャ |
| Day 10〜11 | データモデリングの基本(ER図・正規化・概念/論理/物理モデル)を学ぶ | データモデリング |
| Day 12〜13 | データストレージの種類(RDBMS・NoSQL・データレイク)と運用を学ぶ | データストレージ |
| Day 14 | Week 1〜2の復習・確認問題でアウトプット | 各単元の確認問題 |
Week 3:セキュリティ・統合・分析基盤を学ぶ
| 日 | 学習内容 | 単元 |
|---|---|---|
| Day 15〜16 | データセキュリティ(アクセス制御・暗号化・個人情報保護法・GDPR)を学ぶ | データセキュリティ |
| Day 17〜18 | データ統合の概念(ETL/ELT・APIデータ連携・マスターデータ流通)を学ぶ | データ統合 |
| Day 19〜20 | マスターデータ管理(MDM・ゴールデンレコード・ハブ型/レジストリ型)を学ぶ | マスターデータ管理 |
| Day 21 | データウェアハウス・BIの基本(DWH・データマート・BIツール活用)を学ぶ | データウェアハウス・BI |
Week 4:残り領域の補完と総復習
| 日 | 学習内容 | 単元 |
|---|---|---|
| Day 22〜23 | ドキュメント・コンテンツ管理(非構造化データ・ECM・コンテンツライフサイクル)を学ぶ | ドキュメント・コンテンツ管理 |
| Day 24〜25 | データライフサイクル管理の概念(収集・保管・活用・廃棄のサイクル)を学ぶ | データライフサイクル |
| Day 26〜27 | 11領域の横断復習・弱点領域の補強 | 全単元の確認問題 |
| Day 28 | ITパスポート模擬試験でデータ関連問題の定着度チェック | ITパスポート模擬試験 |
4週間プランの前提条件
- ITパスポートの知識(特にストラテジ系)があること
- 1日1〜2時間の学習時間を確保できること
- このプランは「概念理解フェーズ」であり、問題演習はシラバス公開後に実施
ITパスポート未取得の方は、まずITパスポート模擬試験で基礎知識を固めてから本プランに取り組むことを推奨します。
各領域の学習単元リンク集(PassDojo)
PassDojoでは、DMBOK2の11知識領域に対応した入門学習単元を提供しています。 各単元は「導入テキスト+確認問題2問」の構成で、10〜20分で学べます。 頻出度順に並べたリンク集を以下に掲載します。
最高頻出領域
- データガバナンス単元 — データオーナー・ポリシー・品質基準。全領域の土台
- データ品質管理単元 — 品質の6次元・DQ問題の特定と改善サイクル
- メタデータ管理単元 — ビジネス/技術/運用メタデータ・データカタログ・データリネージ
高頻出領域
- データアーキテクチャ単元 — エンタープライズデータモデル・データフロー設計
- データモデリング単元 — ER図・正規化・概念/論理/物理モデルの3層構造
- データセキュリティ単元 — アクセス制御・暗号化・個人情報保護法・GDPR
- マスターデータ管理単元 — MDM・ゴールデンレコード・マスターデータのスコープ
- データウェアハウス・BI単元 — DWH・データマート・BIツール活用・OLAPの基本
中頻出領域
- データストレージ単元 — RDBMS・NoSQL・データレイク・バックアップ
- データ統合単元 — ETL/ELT・APIデータ連携・データ相互運用性
- ドキュメント・コンテンツ管理単元 — 非構造化データ管理・ECM・コンテンツライフサイクル
補完学習
データライフサイクルの考え方は、DMBOK2の独立した知識領域ではなく、各領域を横断する概念として扱われています。本セクションでは横断的視点を補強する目的で扱います。
- データライフサイクル単元 — データの収集から廃棄まで全工程の横断理解
- DMBOK概要単元 — 11領域の全体像・DAMA国際標準の背景
データガバナンスから学習をスタートする
4週間プランのDay 1はDMBOK2の全体像把握から始まります。 まずは概要単元で11領域の位置関係を確認し、データガバナンス単元へ進みましょう。
学習効率を上げるコツ
横断学習:領域間のつながりを意識する
11領域を「バラバラのテーマ」として記憶しようとすると非常に非効率です。 「データガバナンスのポリシーが、データ品質管理の基準になっている」 「メタデータ管理のデータカタログが、データアーキテクチャの設計図を補完する」 といった領域間のつながりを意識しながら学ぶと、記憶の定着率が上がります。
学習中に「この概念は別のどの領域とどうつながるか?」を常に問う習慣を持ちましょう。 Week 1でデータガバナンスを先に学ぶのは、このつながりの「起点」を作るためです。
確認問題の活用:インプットとアウトプットをセットで行う
PassDojoの各単元には確認問題が2問用意されています。 テキストを読んだ直後に問題を解くことで、理解度を即時に確認できます。 「読んだだけでわかったつもり」になる状態を防ぐために、 確認問題でアウトプットするサイクルを単元ごとに必ず実施してください。
特に間違えた問題はテキストに戻って再確認します。 「なぜ間違えたか」の分析が学習品質を決定します。
過去問演習:ITパスポートを横断知識の確認に使う
データマネジメント試験(仮称)の模擬試験はシラバス公開後に順次整備される予定ですが、 現時点ではITパスポートの模擬試験がデータ関連知識の横断確認に有効です。 ITパスポートのストラテジ系問題には、データマネジメント・データガバナンス・ メタデータ・マスターデータなど、DMBOK2と重なるテーマが多数含まれています。
ITパスポート模擬試験を活用して、 学んだ概念が実際の試験問題でどのように問われるかを確認しましょう。 問題の言い回しに慣れることで、本番試験での読解スピードも上がります。
ペース管理:4週間は「インプット完成」のゴール
4週間プランを終えた後は「合格できるレベル」ではなく「11領域の基本概念を理解した状態」です。 シラバス公開後に出題範囲・配点比率が明らかになってから、 重点領域の深掘り→問題演習→弱点補強というサイクルを回すことで合格レベルに到達します。
試験スケジュールと対策ロードマップの詳細は対策ロードマップ記事をご覧ください。
データマネジメント試験(仮称)の全体像を把握する
試験の概要・難易度・対象者・ITパスポートとの違いは別記事でまとめています。 4週間プランを始める前に試験全体像を把握しておくと、学習の目的意識が明確になります。
よくある質問
DMBOK2の11領域を全部学ぶ必要はありますか?
データマネジメント試験(仮称)を受験するなら全11領域が学習対象になる見込みです。 ただし、領域によって出題ウェイトに差があります。 データガバナンス・データ品質管理・メタデータ管理は「最高頻出」と予測されるため、 まずこの3領域を優先的に固め、その後に残る領域を学ぶ順序が効率的です。
4週間で全領域を学べますか?
4週間プランは「主要な概念を一通り押さえる」ための入門スケジュールです。 ITパスポートをすでに取得している方であれば、1日1〜2時間の学習で 概要理解は4週間で達成できます。 本格的な試験対策(問題演習・弱点補強)はシラバス公開後に別途実施してください。
データガバナンスを最初に学ぶのはなぜですか?
DMBOK2ではデータガバナンスが全11領域を束ねる「統括機能」として位置づけられています。 ガバナンスの概念(データオーナー・ポリシー・品質基準)を先に理解しておくと、 他の10領域の目的と役割が格段に理解しやすくなります。 試験でも中核的出題領域と予測されるため、優先度を最上位に置くことを推奨します。
マスターデータ管理はどのくらい重要ですか?
マスターデータ管理(MDM)は「高頻出」と予測されます。 顧客・商品・取引先などマスターデータの一元管理はDXの根幹であり、 試験で問われる可能性が高い実務的テーマです。 「MDM」「ゴールデンレコード」「マスターデータのスコープ」などのキーワードをマスターデータ管理単元で確認しておきましょう。
ITパスポート合格後すぐにデータマネジメント試験(仮称)の勉強を始めていいですか?
はい、始められます。ITパスポートで培った基礎知識が、データマネジメント試験(仮称)の学習に活きる見込みです。 合格後にDMBOK2の11領域を体系的に学習すれば受験準備が整います。 本記事の4週間プランを使って、今すぐ基礎固めを開始してください。 ただし試験は2027年度開始予定であり、詳細なシラバスは2026年夏ごろ公開見込みです。