【お知らせ】2026年8月31日、IPAがシラバス案Ver.0.1を公開しました
本記事は、シラバス公開前(2026年4月時点)にDMBOK2をもとに出題範囲を予測したものです。 現在はIPAから「データマネジメント試験(仮称)シラバス(案)Ver.0.1」が公開されており、 重点分野・その他の分野・科目Bの技能項目まで具体的に示されています。 シラバス案の内容はシラバス案Ver.0.1を徹底解説【2026年8月公開・出題範囲まとめ】で詳しく解説していますので、最新の出題範囲を確認したい方はまずこちらをご覧ください。 本記事の予測本文は記録として残しつつ、記事末尾に「予想と実際のシラバス案の答え合わせ」を追記しています。
この記事の前提:シラバス案公開前(2026年4月時点)の予測です
お知らせ:2026年8月31日にシラバス案Ver.0.1が公開されました。
本記事は、IPAが参照資料として言及しているDMBOK2(Data Management Body of Knowledge 第2版)と、 IPA試験制度見直し案(2026年3月31日公表)をもとにした独自予測です。 確定版シラバスの公開後に内容を見直します。
なお、シラバスに先行して2026年6月22日にIPAからサンプル問題(科目A 3問・科目B 2問)が公開されました。 本記事の予測と照らし合わせると、科目Aで出題されたのはデータガバナンス・データ品質・メタデータ管理の3分野。 このうちガバナンスと品質は本記事で「出題可能性:高」と予測したとおりでしたが、メタデータ管理は「出題可能性:中」と予測しており、想定より優先度が高い可能性があります。 また科目Bでは、データ統合(名寄せ・結合キーの選定)が事例の題材となりました。 実際の問題と解説はサンプル問題 徹底解説【全5問の傾向と対策】で確認できます。
データマネジメント試験の概要についてはデータマネジメント試験とは?をご覧ください。 試験制度改訂の背景についてはIPA試験制度改革2027で解説しています。
試験構成のおさらい
IPA見直し案によれば、データマネジメント試験の構成は以下のとおりです。
| 科目 | 問題数 | 形式 |
|---|---|---|
| 科目A | 48問 | 多肢選択式(知識問題) |
| 科目B | 12問 | 事例ベース(実践問題と推定) |
| 合計 | 60問 | 試験時間120分 |
科目Aは用語・概念の理解、科目Bは実務シナリオへの適用力が問われると推定されます。 情報セキュリティマネジメント試験の科目B構成が参考になります。
DMBOK2とは(本記事での使い方)
DMBOK2はDAMA International(データマネジメント協会)が刊行するデータマネジメントの国際標準知識体系です。 11の知識領域でデータマネジメントの全体像を体系化しており、IPAもデータマネジメント試験の 参照フレームワークとして言及しています。
DMBOK2の詳細な歴史・構成・学習方法についてはDMBOK2とは?知識体系を解説に委任し、 本記事では「試験対策観点での分類」に絞って解説します。
出題可能性:高(試験の中核となる領域)
以下の3領域は、試験の趣旨・レベル2の位置づけ・ビジネス人材への適合性から、 科目Aの主要出題分野になる可能性が最も高いと推定します。
1. データガバナンス
データガバナンスはDMBOK2の中心的な概念であり、他の10領域すべての土台となる位置づけです。 データの所有権・管理責任・方針・プロセスといったガバナンスの枠組みは、 ビジネス人材が最初に理解すべき領域です。
- データオーナーシップとスチュワードシップの役割分担
- データガバナンス委員会の構成と意思決定プロセス
- データポリシー・データ標準の策定と運用
詳細はデータガバナンス入門で学べます。
2. データ品質管理
データの正確性・完全性・一貫性・適時性・一意性・有効性といった品質次元は、 AI活用・DX推進時代における最重要テーマです。 ビジネス判断の前提となるデータ品質の概念は、試験の主旨と直結します。
- データ品質の6つの次元(正確性・完全性・一貫性・適時性・一意性・有効性)
- データプロファイリングと品質測定の手法
- データクレンジングと品質改善のプロセス
- データ品質マネジメントのPDCAサイクル
3. データセキュリティ
個人情報保護法・GDPRへの対応、アクセス制御、データ分類といったセキュリティ概念は、 ビジネス人材にも直接関係するテーマです。 IPAの他試験でもセキュリティは重点分野であることから、出題可能性が高いと判断します。
- データ分類(機密・社外秘・公開等のレベル設計)
- アクセス制御と認可管理の基本
- 個人情報保護・プライバシー関連法規
- データマスキングと匿名化の手法
出題可能性:中(重要だが深い専門性は不要)
以下の領域は、概念・目的・基本手法の理解が求められると推定します。 技術的な深い知識よりも「なぜ必要か・何を目的とするか」が問われる形式になると見られます。
4. データアーキテクチャ
データ基盤の全体構造(データレイク・データウェアハウス・データメッシュ等)や エンタープライズアーキテクチャとの関係を理解する領域です。 設計技術より「概念として何を目的とするか」が問われる見込みです。
5. データモデリング・データデザイン
エンティティ・属性・リレーションシップの概念、正規化の目的、 概念モデル・論理モデル・物理モデルの違いといった基礎が問われると推定します。 データベーススペシャリストのような設計技術の深さは不要と見られます。
6. メタデータ管理
「データのデータ」であるメタデータの概念、ビジネスメタデータ・テクニカルメタデータの区分、 データカタログの目的と活用方法が出題される可能性があります。 データ活用の文脈でメタデータの重要性が高まっており、ビジネス人材向けに適した出題テーマです。
7. データウェアハウスとビジネスインテリジェンス
DWH・ETL・OLAP・BIツールの基本概念と、意思決定支援への活用が問われると推定します。 スター・スキーマの設計詳細より「なぜDWHが必要か」「BIで何ができるか」という観点が中心です。
出題可能性:低(専門性が高すぎるか試験の趣旨と距離がある領域)
以下の領域は、DMBOK2に含まれる重要領域ですが、レベル2・ビジネス人材向けという 試験の性格上、深い出題は少ないと推定します。
| 領域 | 出題可能性が低い理由 |
|---|---|
| データストレージ・オペレーション | インフラ・運用技術が中心でエンジニア向け色が強い |
| データ統合・相互運用性 | API・ETL設計などの技術的内容が多い |
| ドキュメント&コンテンツ管理 | 非構造化データの管理でデータマネジメント試験の中核から距離がある |
ただし、科目Bの事例問題では、これらの領域が背景知識として登場する可能性はあります。 「概念として知っている」レベルの理解は有益です。
科目B対策の方向性
科目B(12問)は、業務シナリオをもとにした事例ベースの問題と推定されます。 情報セキュリティマネジメント試験の科目B(不審メール対応・ログ分析等)と同様に、 「データ管理の実務場面でどう判断するか」が問われる形式になると見られます。
この見立ては、2026年6月22日に公開されたサンプル問題(科目B 2問)でほぼ裏づけられました。 実際に出題されたのは、社内ルールに基づく責任主体の判断と、 データ統合における本質課題の切り分けを問う事例問題です。 サンプル問題を教材に、事例問題を解くための具体的な読解ステップを科目Bの解き方|事例問題を攻略する読解ステップで解説していますので、あわせてご覧ください。
科目B対策として意識したい観点を以下に示します。
- ガバナンス上の役割判断:データオーナー・データスチュワード・データエンジニアのどの役割が何を担うかを理解する
- データ品質問題の特定:与えられたデータセットの品質問題(重複・欠損・不整合等)を特定し、対応策を選択する
- セキュリティ判断:データの機密レベルに応じたアクセス制御・共有可否の判断ができる
- 法規制との対応:個人情報保護法・GDPRの適用場面を認識し、適切な対応を選択できる
シラバス案公開前の予測にもとづく学習優先順位
本記事の予測をもとに、学習優先順位を提案します。
- 第1優先 — データガバナンスの基礎:役割・方針・プロセスの概念を体系的に理解する (データマネジメント入門参照)
- 第2優先 — データ品質の6次元:正確性・完全性・一貫性・適時性・一意性・有効性の各品質次元を定義とともに理解する
- 第3優先 — データセキュリティの基本:データ分類・アクセス制御・個人情報保護の法規制を整理する
- 第4優先 — DMBOK2の全体像把握:11領域のそれぞれの目的と相互関係を俯瞰する (DMBOK2とは?参照)
予想と実際のシラバス案の答え合わせ
2026年8月31日に公開された「シラバス(案)Ver.0.1」と、本記事の予測を照らし合わせてみます。 詳しい内容はシラバス案Ver.0.1を徹底解説【2026年8月公開・出題範囲まとめ】にまとめていますが、ここでは予測との一致点・相違点を簡潔に振り返ります。
| 本記事の予測 | シラバス案Ver.0.1での扱い |
|---|---|
| データガバナンス・データ品質管理(出題可能性:高) | 重点分野(中分類8 データマネジメント)の小分類として明記され、予測どおり中核テーマとして採用 |
| メタデータ管理(出題可能性:中) | 重点分野(中分類8)の小分類に格上げ。サンプル問題公開時点の答え合わせでも指摘したとおり、 想定より優先度が高い分野だった |
| データセキュリティ(出題可能性:高) | データマネジメント機能の一つとしての「データセキュリティ」は重点分野 (中分類8 データマネジメント)の用語例にも明記されており、この点は予測どおり。 一方、情報セキュリティ全般(中分類24 情報セキュリティマネジメントなど)は 「その他の分野」(大分類6:セキュリティ)としての扱い |
| データアーキテクチャ・データモデリング(出題可能性:中) | 「その他の分野」(大分類4:デジタル技術/中分類17 データベース)に分類され、 予測どおり重点分野からは外れた |
| (DMBOK2の11領域には想定なし) | 重点分野に「AI利活用」(識別AI・生成AI・AIエージェント)が新設。 DMBOK2ベースの予測では捉えきれなかった最大の想定外ポイント |
総括すると、データガバナンス・データ品質・メタデータ管理という「データマネジメントの中核」を 高優先度と読んだ点は的中した一方、AI利活用という新分野の重みを予測できなかった点が最大の反省点です。 DMBOK2は優れた知識体系ですが、生成AI・AIエージェントの実務活用という この数年で急速に重要度が増したテーマまではカバーしていません。 これから学習する方は、本記事のDMBOK2ベースの知識に加えて、シラバス案の重点分野「AI利活用」を必ず押さえておくことをおすすめします。
まとめ
- データマネジメント試験はCBT方式・科目A48問+科目B12問で構成(IPA見直し案より)
- 出題の柱はDMBOK2の11知識領域と推定される
- 出題可能性が高い3領域:データガバナンス・データ品質管理・データセキュリティ
- 科目Bは業務シナリオをもとにした実践問題が中心になると推定
- 【2026年9月追記】2026年8月31日にシラバス案Ver.0.1が公開され、 ガバナンス・品質・メタデータの的中とAI利活用という想定外の重点分野が明らかになった (詳細は本記事末尾の「答え合わせ」を参照)
予想問題で試験範囲を体感しよう
この記事で解説した出題予測に基づいた予想模擬試験(全60問)を公開中です。 科目A+科目Bの本番形式で、出題傾向を体感しましょう。
よくある質問
データマネジメント試験のシラバスはいつ公開されましたか?
IPAは2026年8月31日にシラバス案Ver.0.1を公開しました。 重点分野・その他の分野・科目Bの技能項目まで具体的に示されており、詳細はシラバス案Ver.0.1を徹底解説で解説しています。本記事はシラバス公開前(2026年4月時点)のDMBOK2ベースの予測で、 記事末尾に答え合わせを追記しています。
科目Bはどのような問題が出ますか?
シラバス案Ver.0.1では、科目Bの「目標とする技能」として、 データの適切な取扱い・データ活用による意思決定・組織文化の醸成・データ活用の向上の 4大項目が示されています。情報セキュリティマネジメント試験の科目B同様、 業務シナリオをもとにした事例問題になると見込まれます。
DMBOK2の全領域を学ばないと合格できませんか?
レベル2試験である以上、全領域の基礎知識は必要ですが、 本記事で「出題可能性:高」に分類したデータガバナンス・データ品質管理・データセキュリティの 3領域を優先することが効率的です。 残りの領域は概念レベルの理解で十分と推定されます。
※ 本記事の予測本文は、IPAが2026年3月31日に公表した試験制度見直し案およびDMBOK2をもとにした 独自予測です(2026年4月時点)。2026年8月31日にIPAから「シラバス(案)Ver.0.1」が公開されており、 実際の出題範囲・分類はシラバス案Ver.0.1を徹底解説で確認できます。本記事の予測本文は記録として残していますが、最新の出題範囲は必ずシラバス案の記事、 またはIPA公式サイトでご確認ください。