データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の難易度を結論から確認
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)は、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施する、選択式100問・100分・CBT方式の資格試験です(出典: データサイエンティスト検定 公式サイト)。結論から言うと、難易度は「準備なしでは厳しいが、計画的に学習すれば十分に合格圏内に入る」というレベルに位置づけられます。
公式の「過去実施結果一覧」によれば、第2回以降の合格率はおおむね38〜50%の範囲で推移しており、直近5回(第9回〜第13回)に限ると42〜49%前後に収まっています。合格ラインは正答率76〜80%程度とされており、単純に「6割取れればよい」という試験ではなく、一定水準の正答率を安定して出す必要がある点が難易度を上げている要因です。
一方で、この試験はデータサイエンティストとして高度な実務経験を求めるものではなく、「データを正しく読み取り、根拠に基づいて判断する基礎力」を認証するリテラシーレベルの試験です。出題範囲も公式テキストでカバーされており、前提知識ゼロからでも数十時間〜百数十時間程度の学習で合格ラインに到達できるという声も聞かれます。統計検定3級・2級との数値上の比較は後述しますが、「数学が得意でなくても、正しい手順で学習すれば合格できる試験」と捉えるのが実態に近い評価です。
次回の試験日程はこの記事では扱いません。データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)は年3回程度(3月・6月・11月の実施実績)のペースで実施されているため、最新の日程は公式サイトでご確認ください。試験の概要や主催団体、出題範囲の3スキルカテゴリについて詳しく知りたい方は、データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)とは?概要と活かし方で解説していますので、あわせて参考にしてください。
合格基準と合格率の推移(第1回〜第13回)
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の合格基準は、公式サイトによれば正答率76〜80%程度が目安とされています。100問中76〜80問前後を正解する必要があるため、苦手分野を作らずバランスよく得点することが合格の鍵になります。
合格率については、データサイエンティスト協会が公式に「過去実施結果一覧」を公開しています。第1回から直近の第13回までの推移を表にまとめました。
| 回 | 実施時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格ライン(正答率目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| 13 | 2026年6月 | 約2,220名 | 1,083名 | 約49% | 約76% |
| 12 | 2026年3月 | 約2,400名 | 1,001名 | 約42% | 約77% |
| 11 | 2025年11月 | 約3,560名 | 1,529名 | 約43% | 約77% |
| 10 | 2025年6月 | 約2,200名 | 956名 | 約44% | 約77% |
| 9 | 2025年3月 | 約2,720名 | 1,188名 | 約44% | 約77% |
| 8 | 2024年11月 | 約3,300名 | 1,474名 | 約45% | 約77% |
| 7 | 2024年6月 | 約1,950名 | 929名 | 約48% | 約77% |
| 6 | 2024年3月 | 約2,500名 | 1,089名 | 約44% | 約79% |
| 5 | 2023年11月 | 約3,750名 | 1,427名 | 約38% | 約79% |
| 4 | 2023年6月 | 約3,050名 | 1,347名 | 約44% | 約79% |
| 3 | 2022年11月 | 約2,600名 | 1,088名 | 約42% | 約79% |
| 2 | 2022年6月 | 約2,900名 | 1,453名 | 約50% | 約80% |
| 1 | 2021年9月 | 約1,400名 | 927名 | 約66% | 約80% |
(出典: データサイエンティスト協会 過去実施結果一覧)
表からわかるとおり、第1回(2021年9月)は約66%と高めの合格率でしたが、これは試験が始まったばかりで、情報感度の高い先行受験者が中心だったためと考えられます。第2回以降は受験者層が広がり、合格率は38〜50%の範囲に落ち着きました。直近5回(第9回〜第13回)だけを見ると42〜49%前後とさらに安定しており、現在受験する場合はこのレンジを目安にするのが現実的です。
合格ラインに注目すると、初期の回(第1回〜第6回)は正答率79〜80%程度でしたが、第7回以降は76〜77%程度にやや下がる傾向が見られます。合格ラインが下がった回でも合格率自体が必ずしも上がっていない点から、問題の難易度調整によって一定の合格率を保つ運用がなされている可能性があります。いずれにせよ、回によって合格率・合格ラインともに変動しますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
出題範囲別の難易度(データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力)
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の出題範囲は、「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」という3つのスキルカテゴリで構成されています。各カテゴリの詳細な定義や出題範囲の全体像はデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)とは?概要と活かし方に委ねますが、ここでは難易度の観点から各カテゴリの特徴を整理します。
データサイエンス力は、統計学やデータ分析の基礎知識を問うカテゴリです。統計検定3級・2級と重なる内容が多く、統計を学んだ経験がある受験者にとっては比較的取り組みやすい分野とされています。一方、統計の学習経験がない受験者にとっては、新しく概念を覚える量が多くなりやすい傾向があります。
データエンジニアリング力は、SQLやデータベース、データ基盤に関する知識を問うカテゴリです。実際にコードを書いた経験がない受験者にとっては、問題文を読んで処理結果を頭の中で追う作業に慣れるまで時間がかかりやすく、3カテゴリの中では比較的得点しにくいという声が多い分野です。
ビジネス力は、データ分析を事業課題の解決にどう活かすかという実務的な視点を問うカテゴリです。暗記だけでは対応しづらく、ビジネスの文脈を踏まえて選択肢を判断する力が求められます。文系出身者やビジネス職の受験者にとっては馴染みやすい一方、技術寄りの学習だけを進めてきた受験者は対策が後回しになりやすい傾向があります。
このように、3つのカテゴリは得意・不得意の出方がバックグラウンドによって大きく異なります。どのカテゴリも一定水準の正答率が求められるため、1つのカテゴリに学習を偏らせず、3カテゴリを均等にカバーする学習計画を立てることが難易度を下げる最も実践的な方法です。
統計検定との難易度比較
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の難易度を考えるうえで、よく比較対象になるのが統計検定(3級・2級)です。ただし、両試験は出題範囲・出題形式・評価の軸がそれぞれ異なるため、合格率の数値だけを単純に並べて優劣を判断することはできません。あくまで参考値として捉えてください。
統計検定公式サイトの「過去の受験データ」によると、CBT方式移行後(2021年〜2025年)の合格率は、2級がおおむね46〜50%前後、3級がおおむね54〜62%前後(直近2年は54〜57%程度)で推移しています。これに対してデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の直近5回の合格率は42〜49%前後です。数値だけを見ると、データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)は統計検定2級と近いレンジ、統計検定3級よりはやや低いレンジに位置しています。
| 試験 | 合格率の目安 | 合格基準の目安 | 出題形式 |
|---|---|---|---|
| データサイエンティスト検定(リテラシーレベル) | 42〜49%前後(直近5回) | 正答率76〜80%程度 | 選択式100問・100分・CBT |
| 統計検定2級 | 46〜50%前後 | 100点満点で60点以上 | 4〜5肢選択・90分 |
| 統計検定3級 | 54〜62%前後(直近2年54〜57%程度) | 100点満点で65点以上 | 4〜5肢選択・60分 |
(出典: 統計検定 過去の受験データ)
ただし、この比較には注意点があります。統計検定は数式を使った計算問題が中心で、数学的な処理能力が問われる試験です。一方、データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)は計算よりも知識の広さとビジネス的な判断力が問われる試験であり、「数学が得意かどうか」が難易度の感じ方を大きく左右します。数学に抵抗がある方は、計算問題中心の統計検定よりもデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)のほうを易しく感じる傾向があり、逆に統計の素養がある方はデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)のデータエンジニアリング力・ビジネス力のカテゴリに戸惑うことがあります。統計検定2級の難易度・出題範囲をより詳しく知りたい方は、統計検定2級の難易度は?合格率・勉強時間・勉強法を解説で解説していますので、両試験を比較検討する際の参考にしてください。
なお、AI・ディープラーニング分野の資格であるG検定(JDLA Deep Learning for GENERAL)も比較対象として挙げられることがありますが、G検定の主催団体である一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)は公式サイトで回ごとの受験者数・合格者数を公表しており、合格率はおおむね7〜8割台で推移しています。一方で、合格基準となる正答率のボーダーラインは非公表です。また出題分野もディープラーニングの理論・技術動向に特化しており、統計検定・データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)とは評価軸が大きく異なるため、本記事では数値比較の対象には含めていません。
資格そのものの価値や、就職・転職でどのように評価されるかが気になる方は、統計検定は意味ない?資格の価値とキャリアでの活かし方もあわせてご覧ください。
効率的な勉強法と学習時間の目安
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の学習時間について、公式サイトでは具体的な時間数は公表されていません。以下はあくまで一般的な目安として、受験者のバックグラウンド別に整理したものです。実際に必要な時間は個人差が大きいため、参考値としてご覧ください。
| バックグラウンド | 学習時間の目安 | 重点的に学習すべき分野 |
|---|---|---|
| 統計・SQL・ビジネス分析の知識がほぼゼロ | 100〜150時間程度 | 3カテゴリを均等に、特にデータエンジニアリング力 |
| ITパスポート・基本情報技術者試験 合格レベル | 60〜80時間程度 | データサイエンス力・ビジネス力を中心に補強 |
| 統計検定2級・3級など統計の学習経験あり | 40〜60時間程度 | データエンジニアリング力・ビジネス力を強化 |
| データ分析・BI業務の実務経験あり(3年以上) | 20〜40時間程度 | 出題範囲全体の確認と問題形式への慣れ |
学習の進め方としては、まず公式テキストで3カテゴリの全体像をインプットし、その後に問題集・模擬試験でアウトプットの演習を重ねるという2段階の学習が効率的です。学習開始から受験まで2〜3ヶ月程度の期間を確保し、前半をインプット中心、後半を問題演習中心に切り替えるスケジュールを組む受験者が多いとされています。
問題演習の際は、間違えた問題をそのままにせず「どのカテゴリで失点したか」を記録し、テキストに戻って該当分野を復習するサイクルを繰り返すことが得点の伸びにつながります。正解できた問題についても、他の選択肢がなぜ誤りなのかを説明できるかを確認することで、知識の定着度を高めることができます。統計の基礎に不安がある方は、学習の合間に統計検定3級・2級のオリジナル問題集で基礎力を確認しておくと、データサイエンス力カテゴリの対策としても役立ちます。
難易度を左右する受験者のバックグラウンド
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の難易度の感じ方は、受験者がどのようなバックグラウンドを持っているかによって大きく変わります。
統計検定を取得済み、または統計学を学んだ経験がある受験者は、データサイエンス力カテゴリの学習負担が小さくなる傾向があります。統計の基礎概念(記述統計・推測統計・相関と因果など)に馴染みがあるため、新しく覚える量が相対的に少なく済むためです。一方で、データエンジニアリング力(SQL・データベース)やビジネス力のカテゴリは統計検定の学習範囲と重ならないため、こちらは別途対策が必要になります。
IT・システム系の業務経験がある受験者は、データエンジニアリング力のSQLやデータベースの概念に抵抗が少ない傾向があります。反対に、データサイエンス力カテゴリの統計的な考え方に馴染みが薄い場合は、この分野の学習に時間を割く必要があります。
ビジネス職・企画職の経験がある受験者は、ビジネス力カテゴリの「データ分析結果を事業課題にどう活かすか」という設問に対して実務経験を活かしやすい傾向があります。ただし、データサイエンス力・データエンジニアリング力の専門的な知識は新しく学ぶ必要があるケースが多く、この2カテゴリへの学習時間の配分が合否を分けやすいポイントです。
いずれのバックグラウンドであっても、3カテゴリすべてで一定の正答率を確保する必要がある試験設計であるため、「得意分野だけ伸ばす」学習ではなく、苦手分野を早期に把握して重点的に補強する学習計画が難易度を下げるうえで重要です。
よくある質問
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の合格率はどのくらいですか?
公式の過去実施結果一覧によると、第2回以降の合格率は38〜50%の範囲で推移しており、直近5回(第9回〜第13回)に限ると42〜49%前後です。回によって変動しますので、最新の実施結果は公式サイト(データサイエンティスト協会)でご確認ください。
統計検定とデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)はどちらが難しいですか?
合格率の数値だけで比較すると、統計検定2級(46〜50%前後)はデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の直近合格率(42〜49%前後)と近いレンジにあり、統計検定3級(54〜62%前後)はやや高めです。ただし両試験は出題形式・評価軸が異なるため、この数値上の比較は参考値にとどめてください。統計検定は数式を使った計算問題が中心であるのに対し、データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)は知識の広さとビジネス的な判断力を問う試験であり、どちらを「難しい」と感じるかは受験者の得意分野によって大きく変わります。
文系でも合格できますか?
文系出身者でも合格は可能とされています。出題範囲のうち「ビジネス力」カテゴリはビジネス実務の文脈を踏まえた判断力が問われるため、文系出身のビジネス職経験者には馴染みやすい分野です。一方で「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」は統計・SQLといった専門知識を新しく学ぶ必要があるため、公式テキストでの計画的なインプットと問題演習の積み重ねが合格の前提になります。
まとめ
データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)の難易度は、直近の合格率でいうと42〜49%前後、合格ラインは正答率76〜80%程度という水準です。統計検定2級・3級との数値上の比較では近いレンジに位置していますが、出題形式が異なるためあくまで参考値として捉えてください。合格に必要な学習時間はバックグラウンドによって大きく異なりますが、3つのスキルカテゴリをバランスよく学習することが難易度を下げる最も実践的なアプローチです。
試験概要や主催団体について詳しく知りたい方はデータサイエンティスト検定(リテラシーレベル)とは?概要と活かし方を、統計の基礎力を確認したい方は統計検定3級のオリジナル問題集をあわせてご活用ください。統計検定の対策記事全般は統計検定対策ハブにまとめています。
なお、本記事で紹介した合格率・合格ラインの数値は実施回によって変動します。最新情報は公式サイトでご確認ください。PassDojoが提供する統計検定3級・2級の問題集は、公表されている出題範囲表に基づき当サイトが独自に作成したオリジナル問題集です。