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データマネジメント試験 シラバス案Ver.0.1を徹底解説
【2026年8月公開・出題範囲まとめ】

2026年8月31日、IPAがデータマネジメント試験(仮称)の「シラバス(案)Ver.0.1」を公開しました。 サンプル問題で示された出題の方向性が、初めて体系立った出題範囲として明文化されています。 この記事では、シラバス案の構成をPassDojo編集部が読み解き、科目A・科目Bそれぞれの内容を整理します。

シラバス案公開の概要と位置づけ

IPA(情報処理推進機構)は2026年8月31日、2027年度に新設予定のデータマネジメント試験(仮称)について、 「シラバス(案)Ver.0.1」(全20ページ)を公式サイトで公開しました。

一次情報(IPA公式)

公表ページ:試験要綱・シラバスの変更について(2026年8月31日)
シラバス案PDF:データマネジメント試験(仮称)シラバス(案)Ver.0.1(PDF)
本記事は上記PDFの内容をもとに、PassDojo編集部が構成・用語を要約・整理したものです。 表内の項目・用語例を含め原文はIPAに帰属します(©2026 IPA)。正確な内容は必ず公式PDFでご確認ください。

まず押さえておきたいのは、これはあくまで「Ver.0.1」の「案」だという点です。 IPAはバージョン表記つきで公開しており、今後の意見募集や検討を経て、 項目の増減や表現の変更が行われる可能性があります。 とはいえ、これまでの試験制度見直し案(2026年3月)やサンプル問題(2026年6月)と比べても、 「目標とする知識」と「目標とする技能」を項目・用語例レベルまで詳細化した、 現時点で最も具体的な出題範囲の資料であることは間違いありません。

サンプル問題そのものの解説はサンプル問題 徹底解説【全5問の傾向と対策】、DMBOK2をもとにした事前予測は試験範囲予測【DMBOK・IPA発表を読み解く】で解説しています。あわせて読むと、予測から実際の案に至る流れがつかめます。

科目Aの全体構成:重点分野とその他の分野の二層構造

シラバス案では、科目A(多肢選択式・知識問題)の出題範囲が「目標とする知識(重点分野)」「目標とする知識(その他の分野)」という2つのグループに分けて示されています。

区分大分類・中分類
重点分野大分類2:データ・AIの利活用
中分類8 データマネジメント/中分類9 データ分析・データ利活用/中分類10 AI利活用
その他の分野大分類4:デジタル技術(データベース)
大分類6:セキュリティ(情報セキュリティマネジメント)
大分類7:倫理・コンプライアンス(情報倫理・AI倫理/ビジネス関連法規/プライバシー関連法規)

「重点分野」という名称のとおり、データマネジメント・データ分析・AI利活用の3中分類が試験の中核であることが明示されました。一方の「その他の分野」は、データベースの基礎知識、 情報セキュリティ、倫理・法規といった、データを扱ううえで前提となる周辺知識という位置づけです。 出題数の配分は明記されていませんが、学習の優先順位をつけるうえで、 この二層構造は重要な手がかりになります。

なお「その他の分野」に分類されたデータベース設計・データアーキテクチャは、 事前予測記事で「出題可能性:中〜低」としていた領域とおおむね一致します。 詳しい答え合わせは試験範囲予測記事の追記をご覧ください。

重点分野の詳解:中分類8〜10を小分類レベルで読む

ここからは、試験の中核となる重点分野(大分類2:データ・AIの利活用)を、 中分類ごとに小分類まで掘り下げて解説します。

中分類8:データマネジメント(5つの小分類)

「組織が推進するデータマネジメントの方針や規程を正しく理解し、 実務担当者として日々の業務において適切に遵守・実践する」ための知識を問う分類です。 小分類は次の5つに整理されています。

  • データマネジメント:データマネジメントの目的・考え方と、その機能(データモデリング、データ統合、データ品質管理、 メタデータ管理、データセキュリティなど)
  • データライフサイクル:データの生成・保管・処理・活用・廃棄という一連の流れ
  • データガバナンス:評価・方針・監視といった基本行動、責任と権限(アカウンタビリティ)、 最高データ責任者(CDO)やデータマネジメントオフィス(DMO)、 データオーナー・データスチュワードといった役割分担
  • データ品質管理:正確性・完全性・一貫性・信憑性・機密性などの品質特性、データクレンジング、 データプロファイリング・アセスメント
  • メタデータ管理:ビジネスメタデータ・テクニカルメタデータ・オペレーショナルメタデータの区分、 データカタログ、データリネージ、ビジネス用語集(ビジネスグロッサリー)

用語例のなかでも注目したいのが、DIKWモデル(Data・Information・Knowledge・Wisdomの階層)とSSOT(信頼できる唯一の情報源)です。 いずれもデータマネジメントの目的・考え方を説明する概念として登場しており、 「なぜデータマネジメントが必要か」を語るうえでの基礎ボキャブラリーといえます。 ガバナンスとデータライフサイクル、品質管理、メタデータ管理は互いに独立した知識ではなく、「方針を定める(ガバナンス)→ライフサイクル全体で守る→品質とメタデータで実装する」という一連の流れとして理解すると整理しやすくなります。

データガバナンスの基礎はデータガバナンスガイド、データ品質はデータ品質管理ガイド、メタデータとデータカタログはメタデータ・データカタログ入門で、それぞれさらに詳しく解説しています。

中分類9:データ分析・データ利活用(3つの小分類)

「データサイエンティストなどの高度な分析担当者と円滑に連携する」ための基礎知識と、 「BIツールなどを自らの業務に適用し、業務改善や判断の根拠として役立てる」ための知識を問う分類です。

  • データ基盤:データレイク・データウェアハウス(DWH)・データマート、ELT/ETL、 BIツール・セルフサービス分析
  • データ分析・データ利活用:データの種類(構造化・非構造化、時系列、ビッグデータなど)、 確率・代表値・回帰分析・相関と因果といった統計的手法、 統計的バイアス・認知バイアス、データストーリーテリングによる可視化
  • 業務分析:線形計画法、需要予測、パレート図、散布図、クラスタ分析法

この中分類は、専門的な分析スキルそのものより、「分析結果や統計的な考え方を業務担当者として正しく理解し、活用する」視点で 用語例が選ばれている印象です。相関と因果の違いや各種バイアスへの言及は、 分析結果を鵜呑みにしない判断力を重視していると読み取れます。

中分類10:AI利活用(4つの小分類)

シラバス案で最も新しい要素が、この中分類10「AI利活用」です。 「AIを適切に利活用するために必要な原則・ガイドラインの理解」と 「AIを価値創造や意思決定に効果的に活用する知識」の2軸で構成されています。

  • AI利活用の原則及び指針:AI社会原則、AI-readyな社会、AI事業者ガイドライン
  • 識別AI利活用:教師あり学習による予測、教師なし学習によるグルーピング、強化学習による意思決定支援
  • 生成AI利活用:マルチモーダルAI、RAGによる知識連携プロンプトエンジニアリング、システムプロンプト
  • AIエージェント利活用:AIエージェント、自律性と人間の関与(最終承認・例外処理)、 ガードレール、ハーネスエンジニアリング

識別AI(予測・分類などの従来型AI)と生成AI、さらにAIエージェントまでを 明確に区別して出題範囲に含めている点は要注目です。 特にAIエージェントの小分類で登場する「自律性と人間の関与」「ガードレール」は、 AIに業務を任せる場面が増えるなかで、どこまで自動化し、どこで人間が最終判断するかという 実務的な論点そのものです。DMBOK2をベースにした事前予測ではカバーしきれていなかった 最新テーマであり、シラバス案で初めて明文化された重点領域といえます。

データマネジメント試験 予想模試

シラバス案で明らかになった重点分野(データマネジメント・データ分析・AI利活用)を踏まえた予想問題で、理解度を確認できます。

模擬試験に挑戦する

その他の分野:デジタル技術・セキュリティ・倫理コンプライアンス

重点分野を支える周辺知識として、以下の3大分類がその他の分野に位置づけられています。

大分類・中分類主な小分類・用語例
大分類4:デジタル技術
中分類17 データベース
データベース方式(データアーキテクチャ、データフロー)、 データベース設計(概念データモデル、論理データモデル、E-R図、UML)
大分類6:セキュリティ
中分類24 情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)、 アクセス権の管理、情報資産の分類とリスクマネジメント
大分類7:倫理・コンプライアンス
中分類27〜29
情報倫理・AI倫理(ハルシネーション、AIガバナンス)、 ビジネス関連法規(著作権法、不正競争防止法)、 プライバシー関連法規(個人情報保護法、GDPR)

データベース設計は、データベーススペシャリスト試験のような設計技術の深さではなく、 「データの管理主体者が定義した構造や流れを正しく理解する」という 利用者目線の知識にとどまる書きぶりです。 倫理・コンプライアンスの分野では、生成AIのハルシネーションへの言及があり、 重点分野のAI利活用と対になる形で、AIリスクへの目配りが求められています。

科目B「目標とする技能」大項目1〜4を読み解く

科目B(事例ベースの実践問題)は、「目標とする技能」として4つの大項目で構成されています。 知識の暗記ではなく、自らの業務のなかでどう行動するかという技能を問う設計です。

大項目1:データの適切な取扱いに関すること

データ項目の定義・命名規則の確認(1-1)、複数データ間の対応関係と整合性の確認(1-2)、 利用目的・アクセス範囲・機密レベルに基づく適切な取扱い(1-3)、 データ品質・メタデータ整備状況の確認と問題発見時の対応(1-4)、 AI活用時のデータ利用上の留意事項(1-5)、非構造化データの特性を踏まえた取扱い(1-6) という6つの小項目で構成されます。 「与えられたデータを正しく解釈し、安全に扱う」という、業務の出発点にあたる技能です。

大項目2:データ活用による意思決定、検証と改善に関すること

データ活用の目的に沿ったデータの特定・選定(2-1)、ビジネス課題解消のためのデータ分析の実施(2-2)、 分析結果に基づく洞察の導出と意思決定への反映(2-3)、意思決定に基づく対応結果の検証と改善(2-4)、 データ活用プロセスの改善と得られた教訓の共有(2-5)という流れです。 「課題設定→分析→意思決定→振り返り」というPDCA的なデータ活用のサイクルそのものが技能として問われます。

大項目3:データ活用の組織文化の醸成に関すること

データ活用の意義の理解と普及活動への参画(3-1)、 協働によってデータ活用を促進する環境の形成・定着(3-2)の2小項目です。 自分自身の分析スキルだけでなく、周囲を巻き込みデータ活用を組織に根付かせるという、一段階視座の高い技能が求められています。

大項目4:データ活用の向上に関すること

データ活用技術・デジタル技術(AIを含む)の動向把握(4-1)、PoC(概念実証)の企画・実施(4-2)、 PoCの実施結果の関係者への情報共有・提案(4-3)という3小項目です。 新しい技術を「試してみる→効果を確かめる→提案する」というPoCのプロセスが 明確に技能項目として立てられている点が特徴的です。

科目Bの具体的な解き方(読解ステップ)は科目Bの解き方|事例問題を攻略する読解ステップで、サンプル問題を教材に解説しています。 大項目1〜4のどこが題材になっても対応できるよう、あわせて確認しておきましょう。

今から始める学習ステップ

シラバス案Ver.0.1の内容を踏まえ、これから学習を始める方向けに3段階のステップを提案します。

  1. ステップ1 — 重点分野の全体像をつかむ:まずはデータマネジメントとは何かデータマネジメントの基礎で、中分類8(データマネジメント)の全体像を把握します。
  2. ステップ2 — DMBOK2で知識体系を補強する:シラバス案の分類は、国際的な知識体系であるDMBOK2と重なる部分が多くあります。DMBOK2 11領域の学習優先順位もあわせて確認すると、重点分野の理解が深まります。
  3. ステップ3 — 予想模試とDMBOK入門学習で定着させる:DMBOK入門学習で知識を体系的にインプットしたうえで、データマネジメント試験 予想模試(科目A+科目B・全60問)に挑戦し、理解度を確認しましょう。

シラバス案の重点分野を反映した予想模試で力試し

PassDojoでは、シラバス案Ver.0.1で示された出題範囲を踏まえたデータマネジメント試験 予想模試(科目A+科目B・全60問)を公開中です。 本番と同じCBT形式で、重点分野(データマネジメント・データ分析・AI利活用)への 理解度を今のうちに確認できます。

DM予想模試60問に挑戦するDMBOK入門で先行学習を始める

まとめ

2026年8月31日に公開されたデータマネジメント試験のシラバス案Ver.0.1を、 科目A・科目Bの両面から読み解きました。要点を整理します。

  • 公開の位置づけ:IPAが2026年8月31日に「シラバス(案)Ver.0.1」を公開。あくまで「案」であり、今後変更の可能性がある
  • 科目Aの構造:重点分野(データマネジメント・データ分析・AI利活用の3中分類)と その他の分野(デジタル技術・セキュリティ・倫理コンプライアンス)の二層構造
  • 重点分野の柱:データガバナンス・データ品質管理・メタデータ管理に加え、 識別AI・生成AI・AIエージェントを含む「AI利活用」が新たに明確化された
  • 科目Bの4大項目:データの適切な取扱い、データ活用による意思決定、組織文化の醸成、データ活用の向上

シラバス案はまだ「Ver.0.1」の段階です。今後の情報更新にあわせて本記事も見直していきますが、 現時点で示された分類・用語例は、学習の優先順位をつけるうえで十分に信頼できる指針といえます。 まずは予想模試で 自分の現在地を確認してみてください。

よくある質問

データマネジメント試験のシラバス案はいつ、どこで公開されましたか?

IPA(情報処理推進機構)が2026年8月31日、公式サイトで「シラバス(案)Ver.0.1」をPDFで公開しました。 データマネジメント試験(仮称)の出題範囲を詳細化した資料で、 科目Aの「目標とする知識」と科目Bの「目標とする技能」が示されています。

シラバス案はこのまま確定するのですか?

いいえ。IPA自身が「Ver.0.1」という表記で公開しており、 今後の意見募集やレビューを経て変更される可能性があります。 現時点ではあくまで「案」として扱い、確定情報はIPAの正式発表を確認する必要があります。

科目Aの重点分野とその他の分野は何が違いますか?

シラバス案では科目Aの出題範囲が二層構造で示されています。 重点分野は「データ・AIの利活用」に属するデータマネジメント・データ分析・データ利活用・AI利活用の 3中分類で、試験の中核テーマです。その他の分野はデジタル技術・セキュリティ・倫理コンプライアンスで、 業務でデータを扱ううえで前提となる周辺知識という位置づけです。

※ 本記事は、IPAが2026年8月31日に公開したデータマネジメント試験(仮称) 「シラバス(案)Ver.0.1」(PDF・全20ページ)に基づき、 PassDojo編集部が構成・用語を要約・整理したものです。 分類名・小分類・用語例の原文はIPAに帰属します(©2026 独立行政法人情報処理推進機構)。 正確な内容は必ずIPA公式PDFでご確認ください。本シラバスは「Ver.0.1」の案であり、今後の検討により変更される可能性があります。 本記事は最新情報の公開に応じて更新予定です。

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