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ITパスポート合格者の勉強時間は50〜100時間未満が最多
|IPAアンケート3,297件

ITパスポート試験の勉強時間は、どのくらい見込めばよいのでしょうか。2026年10月26日にIPA(情報処理推進機構)が公表した合格者アンケート(回答3,297件)では、総学習時間は「50時間〜100時間未満」が最多で、学習を始めてから受験するまでの期間は「1カ月〜2カ月未満」が最多でした。ただしIPAは平均値を公表しておらず、分布だけが示されています。本記事では、この公式データをITパスポート試験の勉強時間という切り口で読み解き、IT経験別の違い、平日と休日の学習時間、使われた教材までを整理します。

ITパスポート合格者アンケートの概要——対象者・回答件数・結果の読み方

IPAのITパスポート試験合格者の学習実態等に関するアンケート結果は、2025年10月から2026年7月にITパスポート試験を受験して合格した方が対象です。実施期間は2026年9月4日から9月11日までで、ウェブフォームで回答を集めています。回答件数は3,297件でした。

読むうえで必ず知っておきたい、IPAの留意事項です。

第一に、このアンケートは、アンケートの送付に同意した合格者を対象にしたものです。ITパスポート試験の合格者全体の状況を示すものではありません。第二に、回答は自己申告で、学習期間・学習時間・学習方法には、受験前の知識や経験、学習環境などによる個人差があります。第三に、合格に必要な学習量や学習方法を保証するものではなく、学習計画を考える際の参考情報という位置づけです。第四に、構成比は小数点以下の処理により合計が100%にならない場合があります。最後に、同一人物による複数回の回答を技術的に制限していないため、集計は回答件数ベースであり、回答者の実人数を示すものではありません。

つまり「この時間をかければ必ず受かる」という読み方はできません。合格した方々が使った時間と期間を知る目安として使うのが適切です。平均値はIPAが公表していないため、本記事でも「平均○時間」とは書きません。

合格者の属性——社会人が8割、50代が最多、回答者の約8割が1回目で合格

次に、回答した合格者がどんな方々なのかを見ます。受験時の就労・就学状況は、社会人が81.3%、大学生・大学院生・専門学校生・短大生・高専生が8.1%、小学生・中学生・高校生が4.3%、無職・その他が6.3%でした。

年齢層は次のとおりです。

年齢層割合
10代以下6.3%
20代17.5%
30代15.7%
40代23.5%
50代28.4%(最多)
60代以上8.6%

(出典:IPA「ITパスポート試験合格者の学習実態等に関するアンケート結果」、2026年10月26日公表)

20代より40代・50代の合格者が多く、50代が最多です。回答の8割は社会人でした。

合格までの受験回数は、1回目で合格した方が79.6%、2回目が13.0%、3回目以上が7.3%でした。複数回受験して合格した方も回答に含まれています。試験全体の合格率の推移はITパスポート試験の合格率推移の記事で整理しています。また、社会人と学生に分けた集計は、IPAが別ページ(社会人・学生別の集計結果)で公開しています。

ITパスポートの勉強時間は何カ月・何時間か——総学習時間と学習期間の分布

合格までの総学習時間は、次の分布でした。

総学習時間件数
25時間未満488件
25時間〜50時間未満827件
50時間〜100時間未満1,023件(最多)
100時間〜150時間未満514件
150時間〜200時間未満250件
200時間以上195件

(出典:IPA、回答件数3,297件、単一回答)

最多は「50時間〜100時間未満」の1,023件です。そして総学習時間が100時間未満だった回答の合計は、全体の70.9%でした。一方で200時間以上と答えた方も195件おり、必要な時間には幅があります。

学習開始から受験までの期間は、次の分布です。

学習期間件数
1カ月未満613件
1カ月〜2カ月未満843件(最多)
2カ月〜3カ月未満741件
3カ月〜4カ月未満457件
4カ月〜5カ月未満117件
5カ月〜6カ月未満199件
6カ月以上327件

(出典:IPA、回答件数3,297件、単一回答)

最多は「1カ月〜2カ月未満」の843件で、3カ月未満の合計は全体の66.6%を占めました。「何ヶ月勉強すればよいか」という疑問には、「1〜2カ月」がもっとも多い区分で、3カ月未満が全体の3分の2近く、と答えられます。ただし、これは回答した合格者の自己申告です。勉強法のテクニックやスケジュール例はITパスポート試験の勉強法の記事に委ね、本記事では数字の読み解きに集中します。

デジタル技術へのなじみ度別に見る勉強時間——なじみ度が高いほど短い傾向

「ITに詳しくないと時間がかかるのでは」と心配な方向けに、IPAは受験前のデジタル技術へのなじみ度と総学習時間をクロス集計しています。

まず、なじみ度の回答件数です(単一回答)。

受験前のなじみ度件数
ほとんどなじみがなかった122件
日常的なPC・スマートフォン、インターネット利用が中心だった1,188件(最多)
学校の授業、企業での研修、独学など、基礎知識を少し学んだことがあった582件
仕事や学習で、デジタルツールや業務システムを継続的に使っていた1,107件
仕事や学習で、システム開発に関する内容を継続的に学んだり、扱っていた298件

「ほとんどなじみがなかった」と「日常的なPC・スマートフォン、インターネット利用が中心だった」を合わせると、全体の39.7%でした。なじみ度が低めのこの2区分から受験した方が、4割近くいたことになります。

次に、なじみ度ごとの総学習時間の分布です(各行の構成比、単位は%)。

なじみ度25時間未満25〜50時間未満50〜100時間未満100〜150時間未満150〜200時間未満200時間以上
ほとんどなじみがなかった12.315.626.215.614.815.6
日常的なPC・スマホ・ネット利用が中心8.722.133.918.910.36.1
基礎知識を少し学んだことがあった11.325.833.314.97.67.0
デジタルツール・業務システムを継続的に使用16.228.830.314.75.24.8
システム開発を継続的に学習・担当41.925.819.86.72.73.0

(出典:IPA、なじみ度と総学習時間の関係。項目名は表示の都合で一部省略)

IPAは「デジタル技術へのなじみ度が高い区分ほど総学習時間が短い回答が多く見られました」と述べています。実際、システム開発を継続的に学んだり扱ったりしていた方は、25時間未満が41.9%と突出しています。一方、「ほとんどなじみがなかった」方は、100時間以上の各区分がそれぞれ14.8〜15.6%と、時間が長い側にも幅広く分布しています。

「ほとんどなじみがなかった」方は長めに時間を見込むと安心ですが、その中にも25時間未満で合格した方が12.3%いて、個人差は大きいこともわかります。対象は合格者だけなので、短時間で合格した例があっても保証にはなりません。現在地を測るには、まずITパスポート試験の無料模擬試験を1回解くのが近道です。

ITパスポートの勉強時間は1日どのくらい?平日・休日の学習時間

1日あたりの学習時間も確認しておきましょう。平日の平均学習時間は次の分布でした。

平日の1日平均件数
勉強していない127件
数分〜30分未満802件
30分〜1時間未満1,193件(最多)
1時間〜2時間未満852件
2時間〜3時間未満192件
3時間以上131件

(出典:IPA、単一回答)

最多は「30分〜1時間未満」で、「数分から1時間未満」の合計は全体の60.5%でした。平日は短い時間を積み重ねる方が中心です。

休日は次のとおりです。

休日の1日平均件数
勉強していない362件
数分〜30分未満400件
30分〜1時間未満696件
1時間〜2時間未満935件(最多)
2時間〜3時間未満494件
3時間以上410件

(出典:IPA、単一回答)

休日の最多は「1時間〜2時間未満」で、「数分から2時間未満」の合計は61.6%でした。平日より長めですが、3時間以上は410件にとどまります。すき間時間の動画活用は通勤時間に動画で勉強する方法でも紹介しています。

合格者が使った教材——市販問題集が最多、アプリ・無料コンテンツ・動画が続く

教材については、「主に使った教材」(複数回答)と「最も使った教材」(単一回答)の両方が公表されています。

教材・学習コンテンツ主に使った(複数回答)最も使った(単一回答)
市販の参考書や問題集2,671件1,601件(48.6%)
スマートフォンアプリ1,291件543件
インターネット上の無料コンテンツ1,127件537件
YouTubeなどの動画サイト790件164件
IPAウェブサイトの公開問題やシラバス643件154件
通信講座やオンライン講座326件176件
企業内研修・社内教材139件37件
専門学校などの教育機関71件22件
受験対策講座・資格スクール51件26件
上記以外83件37件

(出典:IPA。項目名は一部省略)

どちらの質問でも、市販の参考書や問題集が最多です。最も使った教材では全体の48.6%を占めました。複数回答では、次いでスマートフォンアプリ、インターネット上の無料コンテンツ、YouTubeなどの動画サイトが多くなりました。公開問題やシラバスの利用は643件でした。公開問題の入手方法はITパスポート試験の過去問(公開問題)の探し方、無料教材の選び方は無料で使えるIT資格の学習教材で扱っています。

なお、このアンケートは教材の使用実態を示すだけで、教材と合格しやすさの関係を示すものではありません。

受験のきっかけと合格後に役立ったこと

受験のきっかけ(複数回答)は、次のとおりでした。

受験のきっかけ件数
学校・会社から受験を勧められた、または必須だったため1,279件(最多)
デジタル知識を体系的に学び直したかったため1,029件
自分のデジタル知識の習得度を確認したかったため813件
就職・転職活動、進学・進級で役立つと思ったため738件
幅広い知識(経営戦略、法務、セキュリティなど)を学べるため620件
仕事上、デジタル知識が必要になったため603件
合格すると学校・企業から一時金や報奨金、手当等の支給があるため514件
以前からデジタル技術に興味があったため479件
家族・友人・同僚などに勧められたため169件
その他140件

(出典:IPA。項目名は一部省略)

合格して役立ったこと(複数回答)の上位は、「合格できたことで自信がついた」が1,450件で最多、「デジタル技術に関する会話や資料の理解がしやすくなった」が1,042件、「経営・法務・セキュリティなど、幅広い知識の理解が深まった」が940件でした。続いて、業務システムやデジタルツールの理解・操作への役立ち(701件)、継続的な学習習慣(692件)、社内評価の材料(621件)の順で、「特にない」は290件でした。

資格の価値そのものについてはITパスポート試験は意味ない?の記事で別の角度から整理していますので、あわせてご覧ください。

アンケート結果から逆算する学習計画——PassDojoの無料模擬試験の使い方

ここからは、公式データを踏まえたPassDojo編集部の提案です。IPAの見解ではなく、読み方の一例として、次の手順をおすすめします。

  1. 自分のなじみ度に近い行を、前掲のクロス集計表から選ぶ。
  2. その行でいちばん割合が高い総学習時間の区分を、最初の目標に置く。
  3. 不安が強い場合は、1つ長い区分を目標に置き、余裕を持たせる。
  4. 目標の総学習時間を学習期間で割り、平日と休日の学習時間に振り分ける。
  5. 平日の最多(30分〜1時間未満)と休日の最多(1時間〜2時間未満)が自分の生活に合うか確かめる。

たとえば、日常的なPC・スマートフォン利用が中心の方なら、表の該当行で最多の区分は50〜100時間未満です。ここを起点に置き、学習期間は1〜2カ月未満または2〜3カ月未満あたりから考え始めると、実際の合格者の分布と大きくずれません。システム開発の経験がある方は25時間未満の層が厚いので、短期集中も現実的です。

時間だけでなく中身の確認も大切です。どの教材を選ぶ場合でも、問題演習で理解度を確かめる工程は欠かせません。PassDojoでは、ITパスポート試験の無料模擬試験で実戦形式の問題に取り組めます。ITになじみが薄い方は、先に入門レベルの問題から始めると取り組みやすいでしょう。学習プランや入門学習コースもあります。

アンケートの数値は「平均」ではなく「分布」です。模擬試験の結果を見ながら時間を調整するのが、無理のない進め方です。

よくある質問

ITパスポート試験の合格者は平均で何時間勉強していますか?

IPAのアンケートは平均値を公表しておらず、分布だけが示されています。総学習時間は50時間〜100時間未満が最も多く、100時間未満の合計は70.9%でした。学習時間はIT経験の有無で変わる傾向があるため、平均を探すより自分に近い経験の層の分布を目安にするのが現実的です。

IT未経験でもITパスポート試験に1〜2カ月で合格できますか?

IPAのアンケートでは、学習期間は1カ月〜2カ月未満が最多で、3カ月未満の合計は66.6%でした。ただし、なじみ度別の学習期間はIPAが公表していません。ほとんどなじみがなかった方の総学習時間は100時間以上の各区分にも14.8〜15.6%おり、ばらつきが大きいため、期間は模擬試験で確認しながら調整するのが安心です。

ITパスポート試験の合格者はどんな教材を使っていますか?

主に使った教材(複数回答)は、市販の参考書や問題集が2,671件で最多でした。次いでスマートフォンアプリ1,291件、インターネット上の無料コンテンツ1,127件、YouTubeなどの動画サイト790件です。最も使った教材でも、市販の参考書や問題集が全体の48.6%を占めました。

まとめ

  • IPAの合格者アンケート(回答3,297件)では、総学習時間は50時間〜100時間未満が最多で、100時間未満の合計は70.9%でした。平均値は公表されていません。
  • 学習期間は1カ月〜2カ月未満が最多で、3カ月未満の合計は66.6%でした。
  • 平日は30分〜1時間未満、休日は1時間〜2時間未満の学習が最多でした。
  • デジタル技術へのなじみ度が高いほど、総学習時間が短い回答が多い傾向でした。
  • 使った教材は市販の参考書や問題集が最多で、アプリ、無料コンテンツ、動画が続きました。
  • このアンケートは合格者全体の状況を示すものではなく、自己申告による参考情報です。合格に必要な学習量を保証するものではありません。

自分に近い層の分布を目安に計画を立て、まずは無料の模擬試験で現在地を確かめてみてください。学習全体の入口はITパスポート試験のトップページです。最新情報はIPA公式サイトのアンケート結果でご確認ください。

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