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ITパスポート試験はどう変わる?
新シラバス案Ver.0.1(2027年新試験制度)を徹底解説

IPAは2026年8月31日、2027年度に始まる新試験制度に向けた「ITパスポート試験 シラバス案Ver.0.1」を公表しました。現行の3分野体系から全試験区分共通の新7大分類体系へと 全面的に再編される内容で、データ・AI利活用や生成AI関連の用語例も大幅に強化されています。 本記事では公表内容を整理し、今受験する人・これから学ぶ人への影響をまとめました。

2026年8月31日公表——新シラバス案Ver.0.1の概要

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は2026年8月31日、「ITパスポート試験 シラバス(案)Ver.0.1」を公表しました。同日にはあわせて、新設予定のデータマネジメント試験(仮称)および情報処理安全確保支援士試験のシラバス案Ver.0.1も公表されています。

このシラバス案は、2027年度に開始が予定されている新試験制度に向けたもので、 現行のITパスポート試験で使われている現行シラバス(2026年9月時点でVer.6.5)とは 別物です。資料の副題には「情報処理技術者試験における出題範囲の細目」とあり、 出題範囲をより詳細な項目・用語例まで落とし込んだ文書という位置づけです。

重要:あくまで「案」の段階です。

シラバス案の資料には「本資料の内容は公表時点の検討状況に基づくものであり、 変更する可能性があります」と明記されています。バージョンも「Ver.0.1」という 早期段階の表記であり、今後の見直しを前提とした内容です。現行試験の受験予定者が 慌てて対応する必要はありません。

現行3分野体系から新7大分類体系への全面再編

現行のITパスポート試験は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」という 3分野で構成されています。今回のシラバス案では、この3分野体系を廃止し、 情報処理技術者試験の全試験区分に共通する「大分類1〜7」という新しい体系に 全面的に再編する方針が示されました。

ITパスポート試験のシラバス案Ver.0.1に登場する大分類・中分類を整理すると、以下のとおりです。

新・大分類中分類(要約)旧シラバスでの主な対応分野(目安)
大分類1:ビジネス変革ビジネス変革の方法論/経営戦略・デジタル戦略/ビジネスモデル・ビジネスプロセス/サービスマネジメント/プロジェクトマネジメント/デザインのアプローチ/マインド・スタンスストラテジ系+マネジメント系
大分類2:データ・AIの利活用データマネジメント/データ分析・データ利活用/AI利活用テクノロジ系(データ関連)+ストラテジ系の一部
大分類3:組織活動経営・組織論/ガバナンス・監査ストラテジ系+マネジメント系
大分類4:デジタル技術デジタルサービス・デジタルツール/システムの種類・構成/クラウド/ネットワーク/データベース/AI技術/情報デザイン・情報メディアテクノロジ系
大分類6:セキュリティ情報セキュリティの脅威/情報セキュリティマネジメント/情報セキュリティ対策テクノロジ系(セキュリティ分野)
大分類7:倫理・コンプライアンス情報倫理・AI倫理/ビジネス関連法規/プライバシー関連法規/セキュリティ関連法規ストラテジ系(法務・コンプライアンス分野)

※ 「旧シラバスでの主な対応分野」はPassDojo編集部による目安であり、新旧の分野は 厳密な1対1対応ではありません。新体系では、これまでストラテジ系・マネジメント系・ テクノロジ系にまたがって存在していた関連トピックが、目的別に再編・統合されています。

大分類5・中分類20〜22・26番はITパスポートのシラバス案には登場しません。

この新体系は情報処理技術者試験の全区分に共通する分類とみられ、公表されている ITパスポート試験のシラバス案Ver.0.1には、大分類5および中分類20〜22番・26番の 記載がありません。他の試験区分(プロフェッショナルデジタルスキル試験など)向けに 割り当てられた分類で、ITパスポート試験では出題対象外とみられますが、この点について IPAから明確な説明は示されていません。正式な位置づけは今後の公表を待つ必要があります。

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新シラバス案で新設・重点化された注目ポイント

「データ・AIの利活用」が独立した大分類に

最大の変化のひとつが、「大分類2:データ・AIの利活用」の新設です。 中分類8「データマネジメント」、中分類9「データ分析・データ利活用」、 中分類10「AI利活用」の3つで構成され、データドリブン経営やデータガバナンスといった 考え方から、データの加工・分析手法、AIの利活用領域まで幅広くカバーしています。

現行シラバスでもデータ分析やAI関連の用語は扱われていますが、独立した大分類として 新設された点は、データ・AIリテラシーがビジネスパーソンに求められる基礎知識として 明確に位置づけられたことを示しています。

生成AI・AIエージェント関連の用語例が大幅強化

「大分類2」の中分類10「AI利活用」には、「生成AI利活用」「AIエージェント利活用」という 項目が新設されています。用語例にはRAG(検索拡張生成)、プロンプトエンジニアリング、 マルチモーダルAI、AIエージェントの自律性とガードレールといった、実務での活用を 意識した具体的な用語が並びます。セキュリティ分野(大分類6)でも「AIを悪用した攻撃」 (ディープフェイク、マルウェアの亜種生成など)が新設項目として追加されており、 倫理・コンプライアンス分野(大分類7)でも「AI倫理・AIガバナンス」が独立した項目に なるなど、AI関連の重点化がシラバス全体に及んでいます。

新設・注目用語該当する大分類ポイント
AIトランスフォーメーション(AX)大分類1:ビジネス変革AI活用による事業変革を指す用語。DXに続く概念として「社会変化の動向」の用語例に追加。
フロンティアAIの影響/フロンティアAIによるリスクと脅威大分類1・大分類7最先端AIモデルがもたらす社会的インパクトとリスクへの言及。AI倫理領域でも重点用語。
データドリブン経営/データガバナンス大分類2:データ・AIの利活用新設の「データマネジメント」中分類の中核用語。データ利活用を経営レベルで捉える視点。
生成AIの活用領域(RAG・プロンプトエンジニアリング・マルチモーダルAI)大分類2:データ・AIの利活用「生成AI利活用」という項目が新設され、業務での活用場面を具体的に問う構成に。
AIエージェント(自律性と人間の関与、ガードレール)大分類2:データ・AIの利活用「AIエージェント利活用」が独立した項目として新設。生成AIの次の重点テーマ。
プロンプトインジェクション/AIを悪用した攻撃大分類6:セキュリティAI悪用を前提とした攻撃手法(ディープフェイク、マルウェアの亜種生成など)が用語例に追加。
AI倫理・AIガバナンス(説明可能なAI、ヒューマンインザループ)大分類7:倫理・コンプライアンス「AI倫理・AIガバナンス」が独立した項目として新設され、AI固有の倫理課題を体系的にカバー。

「ビジネス変革」「マインド・スタンス」など人材像を意識した新領域

「大分類1:ビジネス変革」には、「デザインのアプローチ」「マインド・スタンス」という 中分類が新設されています。「マインド・スタンス」では、変化への適応、コラボレーション、 顧客・ユーザーへの共感、事実に基づく判断といった、知識だけでなく行動・姿勢を問う 用語例(行動例)が並ぶのが特徴です。単なる用語の暗記ではなく、DX推進やアジャイルな 働き方の中でどう振る舞うかという視点が盛り込まれています。

このほか、中分類4「サービスマネジメント」、中分類5「プロジェクトマネジメント」も 「大分類1:ビジネス変革」に統合されており、経営・ビジネスの視点から IT活用を捉える構成になっています。

今受験する人・これから学ぶ人への影響

現行のITパスポート試験は、新シラバス案Ver.0.1とは無関係に、現行シラバス (2026年9月時点でVer.6.5)のもとで当面継続されます。2026年度中に受験を予定している方は、 新シラバス案を意識する必要はなく、これまでどおり現行シラバス対応の教材・過去問で 対策を進めてください。

  1. 現行試験の受験予定者は、現行シラバスでの対策を継続する。新シラバス案は将来の新試験制度に向けたものであり、現行試験には適用されません。 現行シラバスの変更点はシラバスVer.6.5の変更点まとめで確認できます。
  2. これから学び始める方も、まずは現行シラバスから着手してよい。新体系への移行時期や経過措置は現時点で未確定です。基礎知識の大部分は 新旧シラバスで共通しているため、今から学習を始めても無駄にはなりません。
  3. データ・AI利活用の知識は、新旧どちらのシラバスでも重要度が高まっている。新シラバス案での重点化を踏まえると、生成AI・データ分析・AIリテラシーに関する知識は 今のうちから優先的に押さえておくと、新体系移行後もスムーズに対応できます。
  4. IPAの公式発表を継続的にウォッチする。シラバス案は今後見直される可能性があります。適用時期や正式版の公表については、 IPA公式サイト(https://www.ipa.go.jp/)で最新情報を確認してください。

関連コンテンツ

2027年度からの新試験制度全体の見直しについては、情報処理技術者試験 2027年大改訂まとめで、データマネジメント試験の新設を含めた全体像を解説しています。

新設予定のデータマネジメント試験(仮称)のシラバス案については、データマネジメント試験(仮称)シラバス案の解説記事もあわせてご参照ください。

現行のITパスポート試験の学習には、ITパスポート入門学習令和7年度 模擬試験をご活用ください。

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よくある質問

ITパスポート試験の新シラバス案Ver.0.1はいつから適用されますか?

新シラバス案Ver.0.1は2027年度に始まる新試験制度に対応するもので、 現時点(2026年9月)ではまだ「案」の段階です。適用時期は正式に発表されていません。 現行のITパスポート試験は、現行シラバス(2026年9月時点でVer.6.5)のもとで 当面継続されます。

今すぐITパスポートを受験する予定ですが、新シラバス案を勉強する必要がありますか?

不要です。2026年度中に受験する場合は、現行シラバス(Ver.6.5)に対応した 教材・模擬試験で対策を進めてください。新シラバス案Ver.0.1は2027年度以降の 新試験制度に向けた将来の出題範囲であり、現行試験には適用されません。

新シラバス案で何が一番変わりますか?

最大の変化は、現行の「ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系」という 3分野体系が、全試験区分共通の「大分類1〜7」という新体系に全面再編される点です。 特に「データ・AIの利活用」が独立した大分類として新設され、生成AI・AIエージェントに 関する用語例が大幅に追加されています。

シラバス案Ver.0.1の内容は今後変わりますか?

はい。シラバス案の資料自体に「本資料の内容は公表時点の検討状況に基づくものであり、 変更する可能性があります」と明記されています。バージョン番号も「Ver.0.1」であり、 今後の見直しを前提とした早期段階の案です。最新情報はIPA公式サイトで確認してください。

※ 本記事は、IPAが2026年8月31日に公表した「ITパスポート試験 シラバス(案)Ver.0.1」( https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/minaoshi/rcu1hd000001ffp5-att/syllabus_ip_ver0_1.pdf 、©2026 IPA)の内容に基づいています。記載内容は「案」の段階であり、 今後の正式発表により変更される可能性があります。試験の最新情報は必ずIPA公式サイト (https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2026/20260630.html)でご確認ください。

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