全部調べなくてもわかる? — 母集団・標本・無作為抽出と世論調査
母集団と標本、全数調査と標本調査の違いを学びます。偏りを防ぐ無作為抽出と、世論調査の性格もやさしく確認します。
目次読了目安 約2分
導入
テレビで「内閣支持率は○%」と聞いても、日本中の人に尋ねたわけではありません。ごく一部の人の回答で、なぜ全体の様子がわかるのでしょうか。その秘密が、標本調査の考え方にあります。
くわしく知ろう
調べたい対象全体を母集団、そこから選んで実際に調べる一部を標本と呼びます。たとえば「ある市の中学生全体の睡眠時間」を知りたいとき、その市の中学生全員が母集団、アンケートに答えた中学生が標本です。母集団のすべてを調べる方法を全数調査、一部だけを調べる方法を標本調査といいます。
全数調査の代表例が国勢調査で、日本に住むすべての人と世帯を対象にしています。ただ、全数調査には時間も費用もかかります。製品の品質検査のように、全部を調べると売る商品がなくなってしまう場合もあり、そこで標本調査が使われます。
標本調査で大切なのは、標本の選び方です。偏った選び方をすると、母集団の姿を正しく映せません。そこで用いられるのが無作為抽出で、くじ引きや乱数表(でたらめな数字を並べた表)などを使い、母集団のどの対象も同じ確率で選ばれるようにする方法を指します。
世論調査は、政治や社会の問題について国民の意見を標本調査で調べるものとして知られています。結果は標本から全体を推し量った値なので、母集団の本当の値と少しずれることがあります。
具体例
たとえば電球の工場が寿命を調べるとき、全部を点灯し続けると売る商品がなくなるため、無作為に選んだ一部だけを調べます。一方、国勢調査のように、費用がかかっても全員を対象にする全数調査は、全体の実態を正確に知りたい場面で行われます。
まとめ・試験ポイント
- 母集団=調べたい対象全体、標本=母集団から選んで実際に調べる一部
- 全数調査=全部を調べる方法(国勢調査が代表例)、標本調査=一部を調べる方法
- 標本調査が使われる理由=時間や費用の節約、全部調べると商品が使えなくなる検査など
- 無作為抽出=意図を入れず、母集団のどれも同じ確率で選ばれるようにする方法(くじ引き・乱数表)
- 世論調査=意見を標本調査で調べるもの。結果は母集団の値と少しずれることがある
- 統計検定4級では、文脈から母集団と標本を見分ける問題や、無作為抽出の意味を問う定義問題が中心
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