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高度情報技術試験(旧プロフェッショナルデジタルスキル試験)とは?
省令案の要点と免除

IPAがこれまで「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」と呼んできた新試験について、2026年10月16日に動きがありました。経済産業省が意見公募にかけた省令案の別表に、正式名称が「高度情報技術試験」として書き込まれたのです。区分は「高度情報技術マネジメント試験」「高度情報技術データ・AI試験」「高度情報技術システム試験」の3つです。

本記事では、一次資料をもとに、新旧対照、確定している範囲、科目免除と経過措置、中小企業診断士への影響を整理します。

【注意】省令案に基づく記事です。

本記事の試験名称は、2026年10月16日に経済産業省が公表した省令案(意見募集は2026年11月14日まで)に基づいています。公布前の案ですので、変更される可能性があります。IPAの公式サイトは2026年10月20日時点で「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」という仮称の表記のままです(確認日: 2026年10月20日)。意見募集の終了後、公布時、IPAの名称切り替え時に更新します。

結論:省令案で正式名称は「高度情報技術試験」に——旧プロフェッショナルデジタルスキル試験との新旧対照表

高度情報技術試験は、省令案で示された新試験の正式名称で、IPAが旧プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)として検討してきた試験に当たると考えられます。3つの区分で構成され、省令案の第3条第2項第三号(改正後)には、次のとおり定義されています。

「別表に定める高度情報技術マネジメント試験、高度情報技術データ・AI試験及び高度情報技術システム試験(以下これらを総称して「高度情報技術試験」という。)」

(出典: 省令案。「AI」は原文どおり全角)

IPAが使ってきた仮称(旧称)省令案の正式名称
プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)(総称)高度情報技術試験
プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)高度情報技術マネジメント試験
プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)高度情報技術データ・AI試験
プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)高度情報技術システム試験

条文に旧仮称との対応は書かれていませんが、区分名の並びが同じで、日経クロステックも2026年10月19日付で、名称が「高度情報技術試験」に決まりそうだと報じています(見出しは「プロフェッショナル~は採用せず」。有料記事)。旧仮称の出所はIPAの2026年3月31日公表資料と、同日の経済産業省のプレスリリースです。

省令案の改正前の条文で「高度試験」は、ITストラテジスト試験やシステム監査技術者試験など現行8区分の総称です。新名称の「高度情報技術試験」は新しい3区分だけの総称で、指すグループが違います。本記事では現行8区分を「高度試験」、新3区分を「高度情報技術試験」と書き分けます。

どこまで「確定」なのか——省令案・意見公募・施行日・IPAサイトの現状

確定しているのは、省令案が公表され意見募集が始まったところまでです。意見公募の公表日は2026年10月16日、担当は経済産業省のデジタル人材政策室とサイバーセキュリティ課で、募集期間は10月16日(金)から11月14日(土)必着です。要領には、AI等の進化によるスキルの変化を踏まえて現行の試験区分を見直し、令和9年度(2027年度)内の開始を予定すると書かれています(出典: 意見公募要領)。意見は最終決定の参考にされるため、内容が変わる可能性があります。

施行期日は、省令案の附則第一条で令和9年(2027年)4月1日(様式の一部のみ同年3月8日)です。ただし、これは省令の施行日であって、最初の試験日ではありません。省令案に初回の試験日・試験時間・出題数・受験料は含まれていません。IPAの2026年3月31日の資料では、新試験の開始は2027年度夏頃から秋頃、現行制度は2026年度の試験実施で終了する予定とされていました。経済産業省の同日のプレスリリースには、準備状況によっては遅れる可能性があるとの注記もあります。

IPAの試験制度の見直しのページは2026年10月20日時点で新名称を掲載していません。シラバス案のページも仮称の表記で、科目A-1(共通知識)はVer.0.1、高度情報技術マネジメント試験と高度情報技術システム試験はVer.0.2が公開され、高度情報技術データ・AI試験は「準備中」です。

省令案で分かった試験の骨格——別表の3科目構成

省令案の別表(第37条関係)では、3区分とも3科目で構成されています。一は「情報処理システムに係る業務に関する共通的知識」(3区分共通)、二は区分ごとの専門的知識、三は区分ごとの専門的能力です。対象となる知識及び技能は、高度情報技術マネジメント試験が企画と開発・提供プロセスの管理、高度情報技術データ・AI試験がデータの管理・設計・分析と、これに係る情報処理システムの設計・活用、高度情報技術システム試験が設計・開発・管理とされています。

別表には基本情報技術者試験、データマネジメント試験、情報セキュリティマネジメント試験、ITパスポート試験も並びますが、応用情報技術者試験と現行の高度試験8区分は載っていません。現行試験の位置づけは情報処理技術者試験 2027年大改訂まとめをご覧ください。

IPAの資料の科目A-1(共通知識)・科目A-2(専門知識)・科目Bが、別表の科目一・二・三に対応すると考えられます。ただし対応付けはどちらの資料にも明記されておらず、推定です。

科目免除の仕組み——2年以内・災害時の延長・情報処理安全確保支援士試験との相互免除

基本の形は、高度情報技術試験のいずれか一つに合格した人が、合格の公示日から2年以内に高度情報技術試験を受ける場合に、科目一(共通的知識)の免除を申請できるというものです(省令案 第38条第三号)。災害その他やむを得ない事由で受験が困難なときは、経済産業大臣がその事由を勘案して定める期間内に受験することとされ、「2年以内」に新しく例外が設けられました。

情報処理安全確保支援士試験とは相互に免除があります。情報処理安全確保支援士試験の合格者は、2年以内の高度情報技術試験で共通的知識が免除され(第38条第一号)、逆に高度情報技術試験の合格者は、2年以内の情報処理安全確保支援士試験で共通的知識にあたる科目が免除されます(第3条第2項第三号)。

不合格でも、共通的知識で「経済産業大臣が定める基準に達する成績」を得た受験者は、同じく2年以内なら免除の対象です(第38条第二号・第四号)。基準の水準は条文から分からず、この基準も意見公募の対象です(要領2(4))。

経過措置——現行の応用情報技術者試験・高度試験の合格者は2029年6月30日まで免除の見込み

新制度の本則では、免除の対象から応用情報技術者試験と現行の高度試験が外れています。すでに合格している人の扱いを定めるのが、省令案の附則第二条です。令和11年(2029年)6月30日までの間、読み替えによって、旧規則の高度試験と応用情報技術者試験の合格者なども免除の対象に含めるとしています。情報処理安全確保支援士試験にも同様の措置があります(第1項)。保有資格ごとに整理すると次のとおりです。

保有資格免除の対象期限根拠条文
高度情報技術試験の合格者高度情報技術試験・情報処理安全確保支援士試験の共通的知識合格の公示から2年以内(災害時は延長)第38条第三号、第3条第2項第三号
情報処理安全確保支援士試験の合格者高度情報技術試験の共通的知識2年以内(災害時は延長)第38条第一号
現行の高度試験の合格者高度情報技術試験の共通的知識(基準に達した受験者も対象)2年以内、かつ2029年6月30日までの間附則第二条第2項
現行の応用情報技術者試験の合格者高度情報技術試験の共通的知識(合格者のみ)2年以内、かつ2029年6月30日までの間附則第二条第2項

ただし読み替え規定ですので、期間の基準日など運用の細目は条文だけでは断定できません。公布後の条文で確認してください。現行制度は2026年度の試験実施で終了予定のため、現行試験を受けるかどうかの判断材料にもなります。移行期の戦略は高度情報技術試験(旧プロフェッショナルデジタルスキル試験)と応用情報技術者試験・高度試験の違いで扱っています。

他資格への波及——中小企業診断士の経営情報システム免除は2区分のみ

省令案の第四条は、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則の第41条第六号を改正します。第一次試験の「経営情報システム」の免除対象は、改正前のITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、システム監査技術者試験、応用情報技術者試験から、「高度情報技術マネジメント試験又は高度情報技術システム試験」に変わります。

注目したいのは、高度情報技術データ・AI試験が含まれていない点です。この試験に合格しても経営情報システムの免除にはなりません。第一次試験を視野に入れている方は、区分選びに影響します。なお附則第五条には、改正前に免除対象だった上記5試験の合格者は、申請により免除する旨の経過措置があり、すでに合格している方は引き続き免除の対象と読めます。

そのほかの細かな変更——公示方法のインターネット化とオンライン申請

試験の公示方法も見直されます。情報処理安全確保支援士試験の実施期日などの公示(第4条)、合格者の受験番号の公示(第8条第2項)、経済産業大臣が試験事務を自ら行う場合の公示(第16条)は、「官報」から「インターネットの利用その他の適切な方法」に変わります。第39条の準用により、情報処理技術者試験も同様と読めます。

また、情報処理安全確保支援士の登録申請等はオンライン申請が可能になり、戸籍謄本等の添付を省略できるようにするとされています(出典: 意見公募要領)。

受験予定者が今すべきこと

まず、IPAの公式サイトと e-Gov の意見公募のページを定期的に確認してください。次に区分選びです。3区分の違いは高度情報技術試験(旧プロフェッショナルデジタルスキル試験)の難易度・いつから始まるかの解説、出題範囲は高度情報技術マネジメント試験の出題範囲と高度情報技術データ・AI試験の出題範囲で確認できます。共通的知識は3区分共通で免除の対象にもなるため、最初に固める価値が高いと考えられます。

出題形式に慣れるには、高度情報技術マネジメント試験の想定問題集、高度情報技術データ・AI試験の想定問題集、高度情報技術システム試験の想定問題集が使えます。基礎からなら高度情報技術マネジメント試験の入門学習と高度情報技術データ・AI試験の入門学習、全体像は高度情報技術試験の対策ハブです。

まとめ

  • 2026年10月16日公表の省令案(意見募集は11月14日まで、施行予定日は2027年4月1日)で、新試験の正式名称は「高度情報技術試験」(3区分)と明記された。公布前の案。
  • 「高度試験」は現行8区分、「高度情報技術試験」は新3区分の総称で、別のもの。
  • 合格者は2年以内の受験で共通的知識の免除を申請できる。現行の応用情報技術者試験・高度試験の合格者は2029年6月30日まで免除の見込み。
  • 中小企業診断士の経営情報システムの免除対象は、高度情報技術マネジメント試験と高度情報技術システム試験のみ。

まずは高度情報技術マネジメント試験の想定問題集で今の実力を確かめてみましょう。

よくある質問

高度情報技術試験とは何ですか?

省令案で正式名称として示された、高度情報技術マネジメント試験・高度情報技術データ・AI試験・高度情報技術システム試験の総称です。IPAが旧プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)として検討してきた新試験で、令和9年度(2027年度)内の開始が予定されています。

名称はいつ正式に決まりますか?

意見募集は2026年11月14日までで、その結果を踏まえて最終的に決定されます。公布日は示されておらず、案の内容が変わる可能性もあります。

「高度試験」と「高度情報技術試験」は同じものですか?

いいえ、別のものです。「高度試験」はITストラテジスト試験など現行8区分の総称、「高度情報技術試験」は新3区分の総称です。

応用情報技術者試験に合格していると免除はありますか?

省令案の附則第二条により、2029年6月30日までの間は、合格公示から2年以内に高度情報技術試験を受ける場合に共通的知識の免除を受けられる見込みです。期間の起算など運用の細目は、公布後の条文で確認してください。

高度情報技術データ・AI試験のシラバス案はいつ出ますか?

IPAのシラバス案のページは2026年10月20日時点で、高度情報技術データ・AI試験を「準備中」と表示しており、公開時期は示していません。

中小企業診断士の経営情報システムの免除対象になる区分は?

省令案の第四条では、高度情報技術マネジメント試験と高度情報技術システム試験です。高度情報技術データ・AI試験は含まれません。現行の応用情報技術者試験・システム監査技術者試験などの合格者(附則第五条に列挙された5試験)は、申請により、附則第五条の経過措置で引き続き免除と読めます。

本記事は2026年10月16日に経済産業省が公表した省令案と意見公募要領、およびIPAの公表資料(確認日: 2026-10-20)に基づいています。公布前の案であり、試験名称・免除・経過措置の内容は変更される可能性があります。最新情報はIPA公式サイト(https://www.ipa.go.jp/)およびe-Govの意見公募のページでご確認ください。

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